阿部正員

阿部正員（あべ まさかず）は、江戸時代前期に活躍した旗本です。寛文5年（1665年）、当時の忍藩主（のちの大多喜藩主）であった阿部正能の四男として生を受けました。

延宝5年（1677年）7月4日、父である正能の隠居と、兄である正武の家督相続に伴い、阿部家が領有する上総国夷隅郡（かつての大多喜藩領）のうちから2000石を分与され、寄合に列することとなります。同年7月18日には、将軍徳川家綱に初めて御目見えを果たしました。

元禄7年（1694年）3月9日、正員は中奥小姓に任じられ、元禄9年12月22日（1697年）には、従五位下・壱岐守に叙任されました。宝永元年（1704年）1月11日には小姓組番頭に昇進しますが、宝永5年（1708年）6月23日、職務への適性を欠くと判断され、小普請へと左遷されることとなりました。

享保13年（1728年）10月9日、正員は隠居し、随運と号しました。それから7年後の享保20年（1735年）10月2日に、71歳でこの世を去ります。長男の正苗（まさみつ）が早世していたため、家督は甥（三兄である阿部正房の子）で養嗣子の正甫が継承しました。

参考文献

* 続群書類従完成会『新訂寛政重修諸家譜』第十、八木書店、1969年。

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