院外団

院外団の概要

院外団（いんがいだん）は、昭和の戦前から戦中期にわたり、日本の保守政党において非議員で構成された集団です。この団体は、議会外での政党活動に従事し、支持者や党員の組織化が進まない中で重要な役割を果たしました。

歴史的背景

院外団は、明治時代の自由民権運動に由来し、その中で「壮士」として名乗ることもありました。1890年に衆議院が開院されると、党の要職はほぼ衆議院議員に限られるようになり、選挙権や被選挙権を持たない多くの支持者がいました。これに伴い、非議員から成る院外団が実質的な下部組織として機能することになりました。

彼らは選挙活動において応援演説を行ったり、演説会場の警備、議員の護衛、さらには他の政党の活動を妨害することもありました。その結果、暴力沙汰に発展することもあり、高知県では与党側の院外団が野党側を襲撃する事例も発生しました。このように、院外団は政治活動において目立った位置を占めていました。

組織の形成と活動

1892年、楠本正隆らによる民党の院外団の形成が初とされ、1903年には立憲政友会が「立憲政友会院外団」として組織化しました。当初は古参党員や国政選挙の立候補経験者のみが入団対象であり、青年部として「鉄心会」が組織されました。鉄心会はやがて院外団の中核となり、政治的対立を通じて著名な議員を輩出しました。

1928年の報告によれば、東京府内には政友会および民政党からそれぞれ1300人の院外団メンバーが存在していました。彼らは多様な経歴を持ち、かつての衆議院議員や新たに活動を開始した者たちが含まれていました。中には、院外団活動を経て衆議院議員に転身する者もいました。

大正時代から昭和時代への変容

院外団の影響は、大正時代の第一次護憲運動と密接に関連しています。この運動では、民衆を動員する役割を果たしたのが院外団のメンバーであり、当時の大学生たちも多く参加していました。活動のスタイルは壮士的ではあるものの、比較的穏やかなものでした。しかし、昭和に入ると、彼らの活動は堕落し、一部は暴力団や右翼団体に関与するようになりました。

戦後までの展開

戦後、自由党や日本民主党にも院外団が設立され、1955年には自由民主党が成立し、院外団もその中に統合されました。自由民主党同志会として活動を継続しましたが、次第に議員による支持者組織化が進行し、院外団の活動は歴史的な意義を失いつつありました。最終的には2002年に党本部を退去させられる運命を迎えます。

院外団は政治における支持基盤を形成し、いくつかの衆議院議員を育成する一方で、暴力行為や脅迫といった負の側面も抱えていました。現代において市民活動が活発化する中で、彼らの活動は「サポーター」や「勝手連」と呼ばれる形に変化し、平和的な方法で運動が行われるようになっています。

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