陳菊

陳菊（ちん きく）

陳菊（ちん きく、1950年6月10日 - ）は、台湾の政治家であり、民主進歩党（民進党）の重鎮です。監察院長という要職にあり、過去には総統府秘書長、高雄市長、民進党代理主席など、数々の重要な役職を歴任してきました。

民主化運動への参加と投獄

陳菊は、台湾省議会議員秘書時代に民主化運動に深く関与しました。1980年には、台湾の民主化運動における重要な事件である「美麗島事件」で逮捕され、12年の懲役刑を宣告されました。約6年間を獄中で過ごした後、民進党の結成に参画し、台湾の民主化に大きく貢献しました。

政界での活躍

李登輝政権下で名誉を回復した後、国民大会代表に選出されました。その後、台北市長時代の陳水扁氏、高雄市長時代の謝長廷氏のもとで要職を歴任し、2000年から約5年間は、陳水扁政権下で行政院労工委員会主任委員（閣僚級）を務めました。

2006年、高雄市長選挙に民進党候補として出馬し、国民党候補との激戦を制して当選しました。2010年には、高雄県との合併に伴い、新たな高雄市の初代市長に就任。2012年には、蔡英文主席の後任として、民進党代理主席を務めました。2014年には、再選を果たし、高雄市長として手腕を発揮しました。

2018年、高雄市長を退任し、総統府秘書長に就任。2020年には、第2次蔡英文政権の発足に伴い退任し、その後、監察院院長に就任しました。また、監察院傘下に設置された国家人権委員会の主任委員も兼任しています。

中国との関係

陳菊は、民進党幹部として初めて中国を訪問し、北京市長や上海市長と会談するなど、中国政府から厚遇を受けました。一方で、ダライ・ラマ14世を台湾に招聘したり、ウイグル人指導者のドキュメンタリー映画を上映するなど、中国への対抗姿勢も示しています。

日本との関係

陳菊は、日本との関係を重視しており、観光セールス団の団長として日本を訪れ、高雄の魅力をPRしました。ワールドゲームズ高雄大会の際には、「高雄」の旧名が日本語の「たかお」と発音が同じであることに触れ、日本との親近感をアピールしました。また、日系企業を歓迎し、高雄を第二の故郷と思ってほしいと述べるなど、日本との良好な関係を築こうとしています。熊本地震の際には、自身の1ヶ月分の給与を義援金として寄付しました。

その他

陳菊は、台湾で人気の日本アニメ「あたしンち」のキャラクター「母」に似ているとされ、自身もコスプレをしたり、SNSでイラストを使用するなど、ユーモラスな一面も持っています。また、台湾の音楽MVにも出演しています。


陳菊の甥である李昆沢も政治家として活躍しており、立法委員を務めています。



陳菊の政治家としての功績は多岐にわたり、台湾の民主化と発展に大きく貢献しています。

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