階上町

階上町：青森県南東部の魅力的な町

階上町は、青森県南東部に位置し、岩手県と境を接する、太平洋に面した町です。八戸市に近く、そのベッドタウンとしての役割も担いながら、独自の豊かな自然と歴史文化を併せ持っています。

地理と気候

町内は海岸段丘による平坦な地形が広がり、西側には新井田川の支流が流れ、東側は三陸海岸に注ぐ河川が連なっています。県境には階上岳（標高740m）がそびえ立ち、太平洋と県南地域を一望できる絶景ポイントとなっています。

気候は太平洋型ですが、夏は偏東風（やませ）の影響で冷涼な気候となり、冷夏になる年もあります。一方、冬は北東北とは思えないほど降雪量が少なく、日照時間が長く乾燥した穏やかな気候が特徴です。八戸市のデータによると、年間平均気温は約9.7℃、年間降雨量は約861mmです。真夏日は年間平均約13日、真冬日は約11日程度です。

歴史と文化

階上町の歴史は古く、8世紀には寺下地区に応物寺が建立されたと伝えられています。応物寺にはかつて五重塔があり、行基が観音像を納めたとされています。15世紀には道仏地区に西光寺が開基され、現在の町の発展の礎となりました。その後、八戸藩の所領となり、太平洋沿岸部の防衛拠点として浦固めが設置されるなど、歴史の変遷を刻んできました。明治時代には町村制の施行により階上村が成立し、昭和55年には町制を施行しました。平成20年には岩手県沿岸北部地震で震度6弱を観測するなど、近年においても自然災害の影響を受けてきました。

町名の由来については諸説ありますが、階上岳にちなんで名付けられたという説が有力です。

産業

階上町の基幹産業は、古くから漁業と農業です。近年は八戸市のベッドタウン化が進み、町民の多くが八戸市で働くようになっています。また、八戸工業大学が近接しているため、学生の居住者も多いのが特徴です。

第一次産業

酪農が盛んで、鶏肉と豚肉が農業産出額の大部分を占めています。米やネギなどの野菜栽培も行われています。耕地面積は1,380haですが、その約62％が農地として利用され、残りは休耕地となっています。農家の多くは家族経営です。漁業では、サケ、スルメイカ、タラなどの水揚げがあります。

第二次産業

食料品製造が中心で、金属製品や衣服の製造も行われています。

第三次産業

小売業が中心で、特に飲料品小売業が町の経済を支えています。

人口

八戸工業大学に通う学生の居住が多く、19歳から22歳の人口比率が高いのが特徴です。

観光

階上岳のツツジ群生地、小舟渡海岸（青森県で最も早く日の出が見られる場所）、歴史的な寺下観音堂、廿一平（小説『海村異聞』の舞台）など、見どころ満載です。また、いちご煮まつりなど、地元の文化に触れられるイベントも開催されています。

行政

町長、町議会、警察署、消防署などの行政機関が設置されています。

交通

JR八戸線、岩手県北自動車、階上町コミュニティバス、国道45号、八戸久慈自動車道など、交通網も整備されています。

教育

町内には中学校2校、小学校6校があります（廃校を含む）。

その他

金融機関として青森銀行階上支店、八戸農業協同組合階上支店などがあります。

階上町は、豊かな自然と歴史、そして活気ある町です。八戸市の近郊に位置しながら、独自の文化と魅力を保ち続けている、魅力的な町と言えるでしょう。

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