雁 (鴻型水雷艇)

雁（かり） - 日本海軍の水雷艇

雁（かり）は、日本海軍が運用した水雷艇の一隻で、鴻型の6番艇にあたります。艦艇名としては、隼型水雷艇の「雁」に続く2代目となります。この艦艇は、1935年に命名された後、約10年の間に数多くの戦歴を刻みました。

艦艇の歴史

雁は、1935年11月22日に命名され、水雷艇としての役割を担うことになりました。1936年5月11日に三菱重工業横濱船渠でその建造が始まり、1937年1月20日に進水しました。同年9月20日には竣工し、呉鎮守府籍に登録されて第11水雷隊に編入されました。

日中戦争の従事

日中戦争において、雁は華北沿岸作戦や揚子江遡行作戦などに参加し、重要な役割を果たしました。しかし、1938年6月30日には馬当下流の茅林州で触雷し、損傷を受ける事態にも見舞われました。この事件は艦艇の運営にとって、大きな試練となりました。

太平洋戦争の展開

その後、1941年に太平洋戦争が勃発。雁は香港攻略作戦や海上護衛作戦に従事しました。1942年2月に第11水雷隊が解隊された後、雁はアンダマンの第12特別根拠地隊に所属。インド洋での哨戒護衛任務に従事することになります。

1943年2月10日には、ラングーン港で停泊中に爆撃を受け、至近弾による損傷が発生。これにより7名が死亡し、20名以上が負傷するという痛ましい事故が起こりました。戦局はますます厳しさを増し、雁は大きな苦境に直面しました。

最後の戦闘

1944年2月24日、雁はマラッカ海峡にて英潜水艦「タリホー」を体当たり攻撃し、損傷を与えましたが、同時に自艦も被害を受けました。そして1945年7月16日、アンボン輸送作戦中にジャワ海のマタシリ海南方で米潜水艦「バヤ」による雷撃を受け、その結果として沈没を余儀なくされました。最終的にこの艦は1945年9月30日、除籍となりました。

歴代艇長の記録

雁の艦長として、多くの指揮官が任務に就きました。最初の艇長は広瀬弘少佐で、他にも上杉義男、山口達也など、多くの少佐や大尉がこの艦艇を指導しました。彼らの指揮のもと、雁は様々な複雑な任務に従事し、その歴史を築きました。

参考文献

雁についての詳細な情報は、国立国会図書館のデジタルコレクションや海軍関連の専門書籍などで得ることができます。

雁の物語は、日本海軍の歴史の中で重要な一ページを形成しており、その貢献は多くの艦艇に影響を与えました。

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