集二線

集二線は、中国内モンゴル自治区の集寧南駅からエレン駅を結ぶ全長331kmの鉄道路線です。この路線は、中国国鉄が運営し、内モンゴル自治区のウランチャブ市集寧区からシリンゴル盟エレンホト市へと続いています。

概要

集寧南駅を出発した列車は、起伏の少ない丘陵地帯や広大な草原地帯を抜け、終点のエレン駅へと向かいます。沿線は非常に乾燥した気候で、旱魃や凍結が長期間にわたって発生する厳しい環境です。

この路線の開通により、北京からモスクワへの鉄道輸送ルートが大幅に短縮されました。従来は満州里を経由する浜州線が利用されていましたが、集二線の開通によって1141kmもの距離短縮が実現しました。また、モンゴルと中国では軌道幅が異なるため、エレン駅では台車の履き替え作業が行われます。

集二線は全線がフフホト鉄路局の管轄下にあります。

歴史

集二線の建設は、中華人民共和国建国後の1953年6月に始まりました。1954年10月には標準軌（1435mm）での試運転が実施されましたが、1955年10月にはソビエト連邦とモンゴル人民共和国との国際輸送に関する取り決めにより、広軌（1524mm）に改軌されました。そして同年12月に正式開業を迎えました。この時、中国国内では珍しい右側通行を採用していました。

翌1956年1月には、モンゴルのソ蒙中鉄道との接続が完了し、国際輸送が開始されました。しかし、1960年代に入り中ソ対立が深刻化すると、ソ連による軍事侵攻を警戒した中国は、1965年10月に再び標準軌へと改軌しました。

路線データ

路線距離：331km
軌間：1435mm（標準軌）
運営：中国国鉄
管轄：フフホト鉄路局
接続路線：ソ蒙中鉄道（エレン駅経由）

その他

集二線は、中国とモンゴル、そしてロシアを結ぶ重要な国際鉄道輸送ルートの一部として、現在も活用されています。その歴史は、国際関係や技術の変化を反映しており、鉄道史においても興味深い事例と言えるでしょう。

参考資料：

集二线（中国铁路客运网）

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