雪の降るまちを

雪の降るまちを

「雪の降るまちを」は、1952年に内村直也作詞、中田喜直作曲で発表された日本の歌謡曲です。この曲は、その美しい旋律と心に響く歌詞で、発表当時から多くの人々に愛され続けています。

誕生の背景

この曲は、1952年1月にNHKラジオで放送された連続ラジオドラマ「えり子とともに」の挿入歌として初登場しました。ドラマのリハーサル中に時間が余ったことから、急遽制作されたというエピソードが残っています。主演の阿里道子と南美江によって歌われたこの曲は、放送直後から大きな反響を呼び、人気を集めました。その後、高英男の歌唱によりレコード化され、大ヒットを記録しました。

楽曲の特徴

「雪の降るまちを」の旋律は、作曲者の中田喜直が、知人の家がある山形県鶴岡市で見た雪景色からインスピレーションを得て作られたとされています。そのメロディーは、どこか懐かしい雰囲気があり、聴く人の心を温かく包み込みます。また、内村直也の書いた歌詞は、雪の降る街の情景を美しく描き出し、人々の心に深く響きます。

様々なバージョン

この曲は、初版シングルでは「雪の降るまちを」というタイトルでしたが、後に高英男が再録音した際には「雪の降る町を」と表記が変わりました。また、中田喜直自身によって女声合唱、混声合唱にも編曲されており、合唱曲としても親しまれています。

NHKの「みんなのうた」でも2度放送されています。1度目は1961年で、立川澄登と東京少年少女合唱隊が歌い、影絵が映像として使用されました。2度目は1966年で、東京少年合唱隊が歌い、アニメーションが使用されました。

楽曲にまつわるエピソード

鶴岡市には、この歌の歌碑や雪の結晶をイメージした記念モニュメントが建てられています。また、北海道旭川市もこの歌の舞台であると主張しており、冬期には街頭放送でメロディーが流されています。

音楽的には、ショパンの「幻想曲ヘ短調作品49」の序奏と似たモチーフが見られますが、作曲者の中田喜直は、特に影響を受けたわけではないとしています。また、藤子・F・不二雄の漫画「エスパー魔美」にも、この曲が登場するエピソードがあります。

中田喜直の甥である中田佳彦が、大瀧詠一や細野晴臣と友人関係にあったことから、大瀧が「雪の降る町を」をカバーし、アルバムに収録しています。さらに、リチャード・ロジャースがこの曲を演奏し、その場に居合わせた稲垣潤一が感動し、自身のアルバムでカバーしたというエピソードも残っています。

カバーしたアーティスト

「雪の降るまちを」は、多くのアーティストによってカバーされています。

芹洋子
ロジェー・ワーグナー合唱団
香西かおり
二階堂和美
手嶌葵 + 坂本龍一
レイモン・ルフェーブル
* 岩崎宏美

まとめ

「雪の降るまちを」は、その美しいメロディーと心に響く歌詞で、時代を超えて愛され続ける名曲です。この歌は、日本の冬の風景を象徴する歌として、これからも多くの人々の心に残り続けるでしょう。

もう一度検索