南美江

南美江（みなみ よしえ）について

概要

南美江は、1915年10月5日に広島県広島市で生まれ、2010年8月6日に94歳で亡くなった日本の女優です。彼女は演劇集団 円に所属し、本名は南波 房江（なんば ふさえ）です。南美江はその長いキャリアを通じて、宝塚歌劇団から始まり、多数の映画やテレビドラマ、舞台での活躍が広く知られています。

来歴・人物

南美江は神奈川県横浜市で育ち、横浜第一高等女学校（後の神奈川県立横浜平沼高等学校）を卒業した後、宝塚音楽歌劇学校に入学しました。1933年に宝塚少女歌劇団に入団し、『トウランドット姫』で初舞台を果たしました。彼女は23期生で、入団時の成績は76人中2位という優秀な成績でした。当初は美空暁子の名で男役として人気を博し、愛称は「ナンちゃん」と親しまれました。

しかし、1941年には「戦時色が濃くなり、夢がなくなった」と感じて退団しました。その後、長岡輝子の知人がかかりつけ医であり、1942年に文学座の研究生となり、南美江の名で1951年まで活動を続けました。特にラジオ東京で放送された『チャッカリ夫人とウッカリ夫人』で一般的に名前が知られるようになりました。

1963年には文学座を退団し、賀原夏子とグループNLTを結成。続いて浪曼劇場や劇団雲を経て、1975年に芥川比呂志や中村伸郎らと演劇集団 円を創立しました。彼女は1983年に『サド侯爵夫人』で紀伊國屋演劇賞を受賞し、1988年には勲四等瑞宝章を受章するなど、評価を受けてきました。

晩年は高齢者施設での生活を選び、横浜市の病院で肺炎のため逝去しました。生涯独身という姿勢の中で、芸術に全力を傾けた彼女の生涯は多くの人に影響を与えました。

宝塚歌劇団時代の主な舞台

彼女が宝塚歌劇団に在籍中に出演した主な舞台には、以下の作品があります：

• - 1934年: 『トウランドット姫』
• - 1935年: 『マリオネット』
• - 1938年: 『金平巡國記』／『三つのワルツ』
• - 1938年: 『寶塚をとめ』

宝塚歌劇団退団後の主な出演

退団後、彼女はテレビドラマや映画に多くの作品に出演しました。特に1961年から1990年代にかけてのドラマで多くの役を演じました。以下はいくつかの代表的な作品です：

• - 1961年: 松本清張シリーズ・黒い断層「支払い過ぎた縁談」
• - 1976年: 二丁目の未亡人は、やせダンプといわれる凄い子連れママ
• - 1982年: ホームスイートホーム ‐ 北田文江 役
• - 1986年: 銀河テレビ小説 下町三人娘 - 中原夏子 役

また、映画での出演も多数あり、『生きる』（1952年）や『地獄門』（1953年）、『名もなく貧しく美しく』（1961年）などの作品に名を連ねています。

舞台とラジオ

南美江は舞台にも多く出演しました。特に1961年の『地獄のオルフェウス』や1982年の『アトリエ』、1988年の『ガラスの仮面』などが挙げられます。また、ラジオドラマにも出演し、特にラジオ東京の『チャッカリ夫人とウッカリ夫人』が有名です。

結論

南美江はその多彩な才能によって日本のエンターテインメント界における重要な存在となりました。彼女の演技は、舞台、映画、そしてテレビにおいて、多くの人々に感動を与え続けています。彼女の業績は今もなお多くの人に敬愛され、後世にわたって引き継がれていくことでしょう。

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