雲仙天草国立公園

雲仙天草国立公園は、長崎県の島原半島と熊本県の天草諸島に位置する国立公園です。一部、鹿児島県にも含まれています。この公園は、雲仙地区と天草地区という二つの異なる特徴を持つ地域から構成されています。

雲仙地区

雲仙地区は、雲仙岳を中心とした火山群が特徴です。活発な火山活動によって形成された特異な地形や、シロドウダンなどの固有の植物が見られます。また、高原や湖沼といった変化に富んだ風景が広がり、草花や野鳥の宝庫としても知られています。特に、ミヤマキリシマ（ツツジ）は、5月頃に仁田峠を中心に美しい花を咲かせます。雲仙温泉では、地獄と呼ばれる温泉地帯を巡る観光が人気です。高原地帯は、島原半島で唯一の放牧地となっており、国有林の田代原風致探勝林も存在します。

天草地区

天草地区は、天草上島から天草下島にかけての海岸線と、内陸部の龍ヶ岳、倉岳などを含む地域です。東岸の天草松島から八代海、長島海峡を経て、西岸の妙見浦と四季咲岬に至る海岸線は、複雑な入り江が連続するリアス式海岸となっており、美しい景観を作り出しています。特に、多島海の風景が美しい天草松島は、与謝野晶子も絶賛したことで知られています。また、奇岩や奇峰、海崖、海蝕洞などが連続する妙見浦は、名勝および天然記念物に指定されています。陸繋島の富岡海岸や御所浦島なども、この地域の見どころです。さらに、天草海中公園は、全国に先駆けて設置された海中公園の一つであり、海中の美しい景観を楽しむことができます。

指定面積

2005年6月17日の区域変更時点での陸域面積は、合計28,279ヘクタールです。その内訳は、長崎県が45.5%、熊本県が49.4%、鹿児島県が5.1%となっています。特別保護地区は589ヘクタール、第1種特別地域は996ヘクタール、第2種特別地域は11,705ヘクタール、第3種特別地域は6,709ヘクタール、普通地域は8,280ヘクタールです。海域の面積は、普通地域を含む概算でおよそ37,000ヘクタール、うち海域公園地区は115.7ヘクタールです。

火山

雲仙岳は、この公園を象徴する火山です。

主要な景勝地

雲仙地域
雲仙岳（普賢岳・平成新山・国見岳・妙見岳）
仁田峠
宝原
雲仙温泉、地獄（古湯・新湯・小地獄）
白雲の池
諏訪の池
天草地域
海域公園
羊角湾
白嶽
龍ヶ岳
富岡半島（富岡城）

関係市町

長崎県
雲仙市
島原市
南島原市
熊本県
天草市
上[[天草市]]
苓北町
鹿児島県
* 長島町

雲仙天草国立公園は、火山活動によって形成された雄大な自然と、多島海の美しい景観が魅力の国立公園です。歴史的にも、日本で最初に指定された国立公園の一つであり、自然保護の観点からも重要な地域です。多様な動植物が生息しており、訪れる人々に豊かな自然体験を提供しています。

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