雷ノ峰伊助

雷ノ峰 伊助：大相撲界の苦闘の力士

雷ノ峰 伊助（らいのみね いすけ）は、1903年8月17日に神奈川県横須賀市で誕生した著名な大相撲力士です。本名は新倉 伊助。彼の現役時代の体格は187センチ、98キロ。得意な技には右四つや吊り、寄り、投げ、うっちゃりなどがあります。彼の相撲人生は、栄光と苦難が交錯するものでした。

来歴

伊助は1919年1月場所に雷部屋から初土俵を踏みました。初めの数年間で目立った成績を残し、1924年5月場所で幕下で全勝を達成し、その後、十両昇進を果たします。1925年5月場所にはついに入幕を果たし、名門の雷部屋の若手ホープとして期待される存在となりました。彼は1927年5月場所で9勝2敗という好成績を収め、優勝旗手にもなるなど、その期待に応えました。しかし、その後、彼を取り巻く環境は急激に変化しました。

その年、彼の親方である2代梅ヶ谷が急死し、雷部屋は混乱に陥ります。伊助を含む力士たちは、部屋を転々とする運命に見舞われました。最初は白玉親方に預けられましたが、その親方も早々に他界してしまいました。その後は八角部屋に移籍し、悩みながらの生活を続けました。

移籍後も西ノ海、宮城山の横綱と戦い、能代潟、大関の豊國に対しても健闘を見せるなど、相撲界で存在感を示し続けました。1929年5月からは立浪部屋に移籍し、当時の連合側と対戦。その中でも試行錯誤し、次第に精彩を欠くことになりました。

引退とその後

伊助は幕内で24場所に在位し、114勝135敗4休という成績を収めました。勝率は0.458。金星を2つ獲得しており、それぞれ3代西ノ海と宮城山からでした。特に彼の力士人生は、1932年の春秋園事件という激動の時代との関わりが強く、以後の彼は預かり弟子という立場から帰参を果たすことなく、実力での地位を維持することが困難になりました。

彼は1936年に現役を引退するまで、天竜三郎らとともに移り行く時代の流れに翻弄され続けました。

伊助の相撲人生は、名門の誇りと急激な時代の変化の中で、自らの力士としての存在を模索し続けた波乱のものでした。彼は相撲界において一時代を築いたものの、その背後には多くの苦悩と努力があったのです。

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