雷横

雷横（らい おう）について

雷横は中国の名作小説『水滸伝』に登場するキャラクターで、梁山泊の25位の英雄です。彼は天退星の生まれ変わりで、挿翅虎（そうしこ）というあだ名を持っています。このあだ名は、彼の身の軽さからきており、2〜3丈（約6〜9メートル）の距離を跳び越えることができる能力に由来しています。若いころは職を転々としましたが、後に鄆城県の都頭として働きました。

彼の外見は特に特徴的で、身長は七尺五寸（約226センチメートル）、肌は赤銅色で、ひげが左右に跳ね上がっています。彼は主に朴刀を使って戦いますが、その武藝は同じ梁山泊の好漢である劉唐には劣ると言われています。

生涯のあらすじ

雷横の物語は、鄆城県の都頭としての職務から始まります。ある日、巡察中に東渓村の廟で不審な男を捕らえますが、その男は保正の晁蓋の親戚であるため釈放します。しかし、実はその男は赤髪鬼の劉唐でした。激怒した劉唐は雷横に挑戦し、一騎討ちが始まりますが、呉用が介入したために勝負は決まりませんでした。

その後、雷横は生辰網の強奪犯として晁蓋の捕縛を命じられますが、彼との友情からわざと晁蓋を逃がしてしまいます。その数年後、任務で梁山泊付近を訪れた際には水塞に招待されますが、母を心配する気持ちから鄆城へ帰ります。

帰路、街で旅芸人の一座とトラブルを起こし、その結果として歌い手の白秀英を誤って殺してしまいます。この事件により死刑判決を受けますが、同僚の朱仝の助けにより逃亡し、梁山泊に身を寄せることになります。その後、朱仝が自分の逃亡を手引きしたことを償うために、計画を立てて彼を梁山泊に引き入れることに関与します。

雷横は梁山泊で歩兵軍の指導者として多くの戦闘に参加します。高唐州攻めでは高廉を討ち取るという戦功を挙げますが、その後は目立った成果を上げることはありませんでした。方臘討伐の中盤、呼延灼の指揮下で徳清県を攻撃し、敵将の司行方との一騎討ちに挑みます。

しかし、壮絶な戦いの末に馬から斬り落とされ、戦死してしまいます。彼の最期は不遇でしたが、その死は仲間たちに深い印象を残しました。後に張順が宋江の夢に現れ、紫と血まみれの姿で雷横の存在を知らせ、別れを告げるという後日談も存在します。

まとめ

雷横は『水滸伝』の中で一際目立つキャラクターであり、彼の人生は友情や裏切り、戦の中での葛藤に満ちています。彼の武勇もさることながら、人間関係における彼の選択が物語に深い影響を与えているのです。彼の存在は、多くの読者にとって忘れられない印象を与え続けています。

もう一度検索