電気興業

電気興業株式会社（通称DKK）は、高周波機器、電気通信機器の製造・販売、大型通信アンテナの製造・工事を主な事業とする企業です。その歴史は、1919年に渋沢栄一が日米間の通信改善を目指し設立した日米電信株式会社に遡ります。その後、無線技術の急速な発展を受け、1925年には国策会社である日本無線電信が設立されました。

しかし、1947年、GHQ指令により前身会社は解散を余儀なくされます。その後、国際電気通信の設立に伴い、1950年、第二会社方式で電気興業株式会社が設立されました。

設立当初から、電気通信施設の設計・製作・建設・改修を手掛け、民放初のラジオ放送用アンテナを受注。その後、国産テレビ放送用アンテナや東京タワーの送信用アンテナ、海外向けパラボラアンテナの製造など、事業を拡大しました。また、設立翌々年からは高周波応用機器の製造や高周波熱処理加工も開始し、アンテナ製造と高周波事業を二本柱として事業展開を行っています。

沿革

1925年：国策会社として日本無線電信設立。
1929年：依佐美送信所送信業務開始。
1947年：GHQ指令により前身会社解散。
1950年：第二会社方式で電気興業設立。依佐美送信所の管理業務を担当。
1952年：高周波応用機器の製造、高周波熱処理加工を開始。
1961年：東京証券取引所2部に上場。
1990年：東京証券取引所1部に上場。
2000年：創立50周年。

主な事業

電気興業は、以下の2つの主要な事業を展開しています。

電気通信部門

移動通信、放送、情報通信基地局、アンテナの設計・製造・施工
CATV設備施工
カメラソリューション
新エネルギー事業（風力発電鉄塔、太陽光発電、二次電池用架台など）

高周波部門

誘導加熱装置
高周波応用装置
真空炉
高周波熱処理受託加工

関連企業

株式会社デンコー
株式会社ディーケーシー
株式会社電興製作所
フコク電興株式会社
高周波工業株式会社
デンコーテクノヒート株式会社
DKKシノタイエンジニアリング株式会社

不祥事

2021年2月、当時の代表取締役社長によるセクシャルハラスメントが発覚しました。この問題を受け、社内調査が行われましたが、その過程で、社長の昇格や役員の降格人事が不透明な形で行われた疑いも浮上しました。さらに、セクハラ被害者への賠償金に関して、会社との連帯債務を負わせる合意書締結、社外取締役への不正なコンサル費用支出疑惑なども発覚し、企業としてのコンプライアンスが問われる事態となりました。

これらの疑惑を受け、同社は同年6月22日にプレスリリースを発表し、当該社長の役職異動を健康上の理由として辞退させました。また、関係者の報酬の一部返納を発表しましたが、一連の不祥事については、株主総会で「世代交代」を理由に釈明し、セクハラ問題との関連性を否定しました。

脚注

関連項目：依佐美送信所、えびの送信所
関連ラジオ番組：DJ MIKIO 飯島勲 今夜も一緒に語りましょう!（ニッポン放送）
外部リンク：DKK 電気興業株式会社

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