えびの送信所

えびの送信所について

えびの送信所は、宮崎県えびの市大字大明司字六本原に位置する海上自衛隊の施設です。この送信所は、潜水艦との通信を目的とした超[[長波]]（VLF）を送信する施設として、重要な役割を担っています。所長は3等海佐が務めています。

施設の概要

えびの送信所は、えびの市北部の丘陵地に建設されました。建設にあたっては、地域住民からの反対運動もありましたが、1986年に開設の打診がなされ、1991年（平成3年）に完成しました。

海上自衛隊は、1980年代初頭から潜水艦通信の強化を検討しており、その一環としてVLF送信施設の整備を進めていました。当初は福岡県での建設も検討されましたが、最終的にえびの市に建設されることになりました。この計画は、第五次防衛力整備計画（五六中業）にも明記されるなど、重要な施策として位置づけられていました。

えびの送信所の管理・運営は、システム通信隊群中央システム通信隊が行っています。以前は、日本電信電話の名崎[[送信所]]を使用して長波による対潜水艦送信を行っていましたが、えびの送信所の完成により、その役割を移管しました。中央システム通信隊は、他にも千葉県市原市の市原送信所、旭市の飯岡受信所といった通信施設を運用しています。また、送信される通信内容は暗号化されており、自衛隊施設としては珍しく、送信業務の一部が民間に委託されています。

超[[長波]]送信施設としての特徴

えびの送信所は、現在稼働中の超[[長波]]通信施設として、日本国内で唯一の存在です。使用周波数は22.2kHz、出力は200kWで、識別符号はJJIです。電波の特性上、アンテナも非常に巨大であり、電気興業製の高さ約160mから約270mの鉄塔が4基2列、合計8基設置されています。これらの鉄塔の間にはアンテナワイヤーが張り巡らされており、アンテナ部が地上100mで一定になるように設計されています。この巨大なアンテナは、日本国内で最大規模を誇ります。

将来計画

海上自衛隊は、えびの送信所の老朽化に伴い、えびの市内での移転を計画しています。2025年までに新たな通信所用地を選定し、2036年末の運用開始を目指しています。この移転計画は、施設の安定的な運用を継続するための重要な取り組みです。

関連情報

日本国内の超[[長波]]送信所: えびの送信所の他にも、過去には依佐美[[送信所]]や対馬オメガ局といった超[[長波]]送信所が存在しました。
外部リンク: えびの送信所の外観を撮影した個人サイトが公開されています。

えびの送信所は、日本の防衛において重要な役割を果たしている施設であり、その運用は今後も注目されます。

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