霞 (広島市)

広島市南区霞地区の詳細

広島市南区に位置する霞地区は、太田川の支流である猿猴川と京橋川に挟まれた三角州の内陸部にあります。この地区は、旧国鉄宇品線跡を境界として東西に分かれ、国道2号線（新広島バイパス）によって南北に区切られています。かつては陸軍用地が大部分を占めていましたが、現在は広島大学霞キャンパスをはじめとする教育・研修施設が集まる文教地区として知られています。

地理と特徴

霞地区は、広島市中心部からやや北に位置し、周囲を川に囲まれた立地が特徴です。地区内は国道2号線によって南北に分割されており、北側には霞一・二丁目、南側には西霞町と東霞町があります。隣接する地区としては、北に段原、南に本浦・大河・旭町、西に出汐、東に東雲があります。

歴史

霞地区は、江戸時代初期の1662年から1663年にかけて造成された埋立地「東新開」の一部です。この東新開は、現在の東雲地区も含む広大な地域でした。1933年には東新開町が分割され、西側が霞町、東側が東雲町となりました。霞町の北半分は陸軍兵器支廠の敷地、南半分は農地でした。その後、昭和高等女学校（現在の比治山女子中学校・高等学校）が移転し、軍事施設と教育機関が集まる地域となりました。

第二次世界大戦後、陸軍兵器廠が廃止されると、その跡地に県庁が一時的に移転しました。1957年には広島大学霞キャンパスが移転し、中国管区警察学校や県警察学校も後に続いて移転しました。1966年には、新広島バイパスの開通により宅地化が急速に進み、バイパス南側が西霞町・東霞町として分立しました。1970年には、バイパス北側が霞一丁目となり、1980年には霞二丁目が分立し、現在の3町体制が完成しました。

施設

公共施設

中国四国管区警察局中国四国管区警察学校
広島霞郵便局
広島東霞郵便局
広島大学病院
広島大学医学資料館
広島大学原爆放射線医科学研究所
全国建設工事業国民健康保険組合広島県支部

行政機関

広島市役所都市活性化局段原再開発部

宗教施設

稲生神社
安芸イエス之御霊教会
金光教広島中部教会
普明会教団広島支所

教育施設

広島大学霞キャンパス（医学部・歯学部・薬学部・大学病院・原爆放射線医科学研究所）
学校法人比治山学園比治山女子中学校・高等学校
税務大学校広島研修所
広島市立段原中学校

公園

西霞町公園

かつて存在した施設

広島陸軍兵器補給廠
広島県庁舎
広島県警察学校
広島県警察機動隊

交通

道路：国道2号線
バス：広島バスなどが運行

関連書籍

大竹嘉治 『広島大河附近の街 旭町 翠町 出汐町 霞町 丹那新町』 大河郷土史研究会、1981年
『広島県の地名』（日本歴史地名大系 第35巻） 平凡社、1982年
『角川日本地名大辞典 第34巻：広島県』 角川書店、1987年 ISBN 4040013409

関連事項

広島市町名・地区一覧 - 南区 (広島市)
皆実町・翠・西翠町・出汐・旭・西旭町：霞地区を含む「東新開」と同時に造成された「西新開」に包括される地区であり、のち「皆実新開」と改称された。

霞地区は、その歴史と教育機関の集積により、広島市における重要な地域の一つとなっています。今後の発展も期待されるエリアです。

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