霞城館

霞城館：たつの市の文化を彩る文学館

兵庫県たつの市龍野町に位置する霞城館は、近現代を代表する文化人たちの功績を称え、その足跡を後世に伝えることを目的とした文学館です。龍野城址のすぐ近くという立地も相まって、歴史と文化の薫り漂う空間となっています。

霞城館は、詩人として知られる三木露風、田園詩に独自の境地を開いた内海信之、そして歌人として活躍した矢野勘治、哲学者として名高い三木清といった、たつの市ゆかりの文化人たちの貴重な資料を数多く収蔵しています。展示品は文献、写真、遺品など実に約750点にも及び、それぞれの文化人の生涯や作品世界を多角的に理解できるよう構成されています。

特に注目すべきは、館内に併設されている矢野勘治記念館です。この建物は、歌人矢野勘治が晩年を過ごした旧宅を利用しており、その生活空間をそのまま残すことで、よりリアルな矢野勘治像を来館者に伝えています。記念館には、矢野勘治に関する資料が展示されており、彼の作品や人物像を深く理解する上で貴重な機会となります。

霞城館という館名は、龍野城にまつわる歴史に由来しています。龍野城は鶏籠山上に築かれた城として知られており、「朝霧城」という別名を持っていました。一方、山麓にあった城には「霞城」という別名が付けられていました。霞城館という名称は、この「霞城」に因んで名付けられたと言われています。

開館は霞城館が1978年（昭和53年）4月15日、矢野勘治記念館が1992年（平成4年）10月22日と、それぞれの歴史を刻んでいます。現在も多くの来館者を受け入れ、たつの市の文化を広く発信する拠点となっています。

主な収蔵資料

三木露風（操）：詩人。「赤とんぼ」の作詞者としても有名で、詩壇に「白露時代」をもたらした重要な人物です。
三木清：哲学者。京都大学で西田幾多郎に師事し、「人生論ノート」、「哲学ノート」など多くの著作を残しました。
内海信之（泡末・青潮）：田園詩に秀でた詩人。
矢野勘治（興安嶺）：正岡子規門下の歌人。旧制一高の西寮寮歌「春爛漫」、東寮寮歌「嗚呼玉杯に花うけて」の作詞者としても知られています。

利用情報

開館時間：9時～17時（入館は16時30分まで）
休館日：月曜日
アクセス：JR姫新線 本竜野駅より徒歩20分、またはタクシー5分
その他：ひょうごっ子ココロンカード利用可能

周辺観光スポット

霞城館周辺には、龍野城跡をはじめ、龍野公園、聚遠亭、龍野神社、たつの市立龍野歴史文化資料館、うすくち龍野醤油資料館など、歴史と文化に触れられる魅力的なスポットが数多くあります。これらの施設と合わせて巡ることで、たつの市の豊かな歴史と文化をより深く理解することができます。

もう一度検索