露蒙関係

ロシアとモンゴルの関係

ロシアとモンゴルの関係は、歴史的に深く結びついています。ソビエト連邦時代から、両国は緊密な関係を築き、モンゴルはソ連の支援を受けて社会主義国家として発展しました。ソ連崩壊後も、両国は友好関係を維持しつつ、新たな協力関係を模索しています。

歴史的背景

19世紀、モンゴルは清の支配下にありましたが、1911年の清の滅亡に伴い独立を宣言しました。その後、中国軍の侵攻やロシアの白軍の介入を経て、1921年にソ連の赤軍と親ソビエトのモンゴル軍によって独立を回復しました。1924年には、モンゴル人民党がソ連の支援を受けて革命を起こし、モンゴル人民共和国が樹立されました。

共産主義時代

モンゴル人民共和国は、ソ連の衛星国として、政治、経済、文化のあらゆる面でソ連の影響を強く受けました。モンゴルの最高指導者ホルローギーン・チョイバルサンは、ソ連の指示の下で大規模な粛清を行い、多くの人々が犠牲となりました。この時期、モンゴルではマルクス・レーニン主義が教育の中心となり、ソ連の文化が浸透しました。モンゴルのエリート層は、ソ連や東欧で教育を受け、経済はソ連圏に大きく依存していました。

モンゴルとソ連は、緊密な国家関係を築き、ソ連はモンゴルに対して経済援助や軍事支援を行いました。モンゴルは、中国の拡張主義に対する脅威を感じており、ソ連の軍事力に頼っていました。1986年には、両国間で平和友好協力条約が締結されました。

ソ連崩壊後

1990年にモンゴル人民共和国が崩壊し、民主的な政府が誕生したことで、モンゴルとソ連の関係には変化が生じました。ソ連からの技術援助が停止し、ロシアは過去の援助の返済をモンゴルに要求しました。モンゴルの対露貿易は大幅に減少し、代わりに中国との関係が強化されました。しかし、ロシアは地域大国としての地位を再確立するため、モンゴルとの関係を再構築しようとしています。

2000年、ウラジーミル・プーチン大統領がモンゴルを訪問し、両国間で新たな二国間条約が締結されました。ロシアは、モンゴルへの石油・エネルギー輸出価格を引き下げ、貿易を強化しました。また、ロシア政府はモンゴルに対する債務の大部分を帳消しにし、石油パイプラインの建設にも合意しました。モンゴルは、プーチンの提唱する「大ユーラシア・パートナーシップ」構想を支持しています。

国家元首の往来

両国間では、国家元首の訪問が頻繁に行われています。ロシアからは、レオニード・ブレジネフ書記長やウラジーミル・プーチン大統領などがモンゴルを訪問しており、モンゴルからは、ポンサルマーギーン・オチルバト大統領やナツァギーン・バガバンディ大統領などがロシアを訪問しています。

その他

2017年の調査によると、モンゴル人の約90％がロシアに対して好意的な見方を持っており、両国間の良好な関係がうかがえます。両国は欧州安全保障協力機構（OSCE）の加盟国であり、約3500キロメートルの国境を共有しています。

両国は、政治、経済、文化のさまざまな分野で協力関係を深めており、今後も良好な関係が続くことが期待されています。しかし、両国間の関係は、常に変化しており、今後の動向に注目する必要があります。

参考文献

(ロシア語) Documents on the Mongolia–Russia relationship at the Russian Ministry of Foreign Affairs
(ロシア語、英語、モンゴル語) 在ウランバートルロシア大使館
* (ロシア語、英語、モンゴル語) 在モスクワモンゴル大使館

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