青堀駅

青堀駅

青堀駅（あおほりえき）は、千葉県富津市大堀に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）内房線の駅です。

歴史

青堀駅は、大正時代の1915年（大正4年）1月15日に、当時の鉄道院木更津線の駅としてその歴史をスタートさせました。その後、路線名は何度か変更され、1919年（大正8年）5月24日には北条線に、1929年（昭和4年）4月15日には房総線の一部となりました。1933年（昭和8年）4月1日には、房総線の蘇我駅と安房鴨川駅の間が房総西線として独立し、当駅もその一員となります。現代の内房線へと名称が変わったのは、1972年（昭和47年）7月15日のことです。国鉄の分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR東日本の管轄となりました。

駅のサービス面では変化があり、1969年（昭和44年）10月1日には貨物取扱が廃止されました。みどりの窓口は2006年（平成18年）4月1日をもって営業を終え、代替として「もしもし券売機Kaeruくん」が設置されました。しかし、このKaeruくんも2012年（平成24年）3月23日に営業を終了し、青堀駅での終了をもって全国でのKaeruくんの運用が完全に廃止されることとなりました。一方、ICカードの利用は進み、2009年（平成21年）3月14日からはSuicaが利用可能となり、同時に東京近郊区間にも組み込まれています。

駅構造

駅の構造は、地上に島式ホームが1面あり、2つの線路が設けられています。ホームは地面と同じ高さで嵩上げはされていません。駅舎とホームの間は跨線橋で結ばれており、利用者はこれを使って行き来します。駅舎は木造建築で、開業当時の面影を残しています。

駅の運営は、木更津統括センター（君津駅）の管理下にあり、JR東日本ステーションサービスが業務を受託する業務委託駅です。駅構内にはSuica対応の自動券売機が2台設置されているほか、簡易Suica改札機も備えられています。トイレは男女別の水洗式が利用できます。

かつて国鉄時代には貨物輸送が行われていた名残として、駅舎の脇、特に君津方面には貨物用のホームが存在していました。また、ホームを挟んで反対側にも、かつては機回しに使用されたと思われる線路がありました。これらの設備は現在では撤去されており、貨物ホームの跡地付近には線路を渡るための新たな跨線橋が設置され、機回し線跡地は自転車駐輪場として整備され活用されています。

さらに歴史を遡ると、太平洋戦争開戦前の戦前には、大日本帝国陸軍陸軍技術本部が使用していた富津試験場（現在の千葉県立富津公園内、旧東京湾要塞富津元洲堡塁跡）へ向かう軍用引込線がこの駅から分岐していました。満州の虎頭要塞へ移送されるまでの間、九〇式二十四糎列車加農（口径24センチの巨大な列車砲）が富津試験場に配備されており、その移動や試射の際にこの引込線が利用されていた記録が残っています。

のりば

ホームは1面2線ですが、信号設備の配置上、1番線と2番線のどちらの線路からも、両方向（君津方面と大貫方面）への列車の到着および出発が可能となっています。この柔軟な運用設備を活用して、臨時列車が当駅で折り返し運転を行うこともあります。ホームの有効長は11両編成に対応しており、比較的長い編成の列車も停車できます。

利用状況

近年における利用状況を見ると、2023年度（令和5年度）の1日平均乗車人員は1,302人となっています。過去のデータからは、1990年度以降の乗車人員の推移を確認することができます。

駅周辺

駅前にはロータリーが整備されており、タクシーの待合室が設けられています。駅前を国道16号が通り、東側約550メートル先の「大堀中央」交差点では千葉県道157号大貫青堀線と交差しています。駅周辺には、海岸沿いを中心に大型商業施設や工場が点在しています。駅の出入口とは反対側には、内裏塚古墳群が広がる歴史的なエリアがあります。また、駅の近くを流れる小糸川を境として、行政区画は富津市から君津市へと変わります。

バス路線

駅前の「青堀駅」停留所からは、複数のバス路線が発着しています。日東交通と京成バス（高速バス）が運行しており、地域の交通ネットワークの一部を担っています。主な行き先としては、木更津駅西口、富津公園、君津駅北口・南口、イオンモール富津、大貫駅方面への路線バスに加え、バスターミナル東京八重洲や東雲車庫へ向かう高速バスも利用できます。

その他

青堀駅は、映画のロケーションとしても使用されたことがあります。例えば、『ラブレター 蒼恋歌』や『ボクたちの交換日記』といった作品では、当駅のホームや駅舎が撮影に利用されました。

JR東日本公式サイトには、駅構内図などの詳細情報が掲載されています。

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