青年の島

青年の島（Isla de la Juventud）

青年の島は、キューバに属する広大な島で、その面積は3,056平方キロメートルに及び、キューバ本島を除いて最大の島となります。西インド諸島の中では6番目に広く、1978年まではピノス島という名前で知られていました。この島は、キューバ本島の南岸に位置しており、バタバノ湾から南西に約100キロメートルの距離で、ハバナやピナール・デル・リオ州からはほぼ真南の方向にあります。特筆すべきは、青年の島が中央政府の直接統治下にあり、特別自治区として扱われている点です。この島は、他のキューバの州とは異なり、広さ、人口、経済においても独自の特性を持っています。

島には約10万人の住民が居住し、最大の町は北部に位置するヌエバ・ヘローナです。この町は自治体の州都としても機能しています。次に重要な町は内陸部のサンタ・フェで、島で最も古い町です。島内にはコロンビア、マッキンレイ、サンタ・バルバラ、クチージャ・アルタ、プンタ・デル・エステといったその他の小さな集落も存在しています。

歴史

青年の島の歴史は非常に古く、116点以上の原住民による洞窟絵画がプンタ・デル・エステの近くで発見されていますが、コロンがこの地に来る前については多くのことが未知です。クリストーバル・コロンは1494年の新大陸への航海中にこの島を発見し、「La Evangelista」と名付け、スペインの領土として宣言しました。その後、島は時代によってオウム島（Isla de Cotorras）や宝島（Isla de Tesoros）と呼ばれることもありました。

海賊の存在もこの島の歴史に影響を与え、多くの文学作品にもその名が登場します。特にロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』やジェームス・マシュー・バリーの『ピーターパン』に見られるように、海賊や原住民の物語は多くの人々に影響を与えています。

1898年の米西戦争の後に締結されたパリ条約により、キューバはスペインから独立しましたが、青年の島は領有権をめぐる争いの対象となりました。アメリカ合衆国と新たに独立したキューバとの間での交渉の結果、1907年にアメリカ合衆国の最高裁判所がこの島はアメリカに属さないとの判断を下し、最終的にキューバの領土となりました。

地理と産業

青年の島の大部分はマツの森によって覆われており、これが主な産業である材木業の基盤となっています。北部には大理石の採石場があり、南部にはフラットな土地が広がっています。カルスト地形や湿地、シエナガ・デ・ラニエル国立公園などの特色ある地形が広がっており、農業や漁業が盛んに行われているため、地元の人々にとっての貴重な生計手段となっています。

この島はまた温暖な気候に恵まれているものの、ハリケーンに見舞われることも多く、地元経済に影響を及ぼしています。1960年代にキューバ政府が外国人の財産を国有化したため、その多くはアメリカ人の手にありました。

シエナガ・デ・ラニエル国立公園一帯は、豊かな生態系が広がり、アオウミガメやアカウミガメ、アメリカワニなどの絶滅危惧種の生息地として非常に重要です。この地域は2002年にラムサール条約の登録地にも指定されています。

輸送手段

青年の島へのアクセスは、主にボートや飛行機によるものです。水中翼船や双胴船を利用すれば、本島から2〜3時間の距離です。貨物フェリーを利用すれば、もっとゆったりした旅を楽しむことができ、6時間程度の航海になりますが、その運賃はリーズナブルです。

刑務所と政治

かつてこの島にはプレシディオ・モデーロ刑務所が存在し、特に有名なパノプティコン型の刑務所として知られていましたが、今は閉鎖され記念館として公開されています。現在では、より近代的な複数の刑務所が新たに設立されています。歴史的にキューバ革命の指導者フィデル・カストロも収監された経緯があり、革命後には反革命的な勢力の指導者たちもここに収監されました。刑務所内での虐待や拷問が報告されてきたことでも知られています。

若い世代の文化と歴史が息づく青年の島は、魅力的な観光地としても注目されており、多くの人々がこの島の魅力を体験するために訪れています。

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