青柳城

青柳城の歴史と遺構

青柳城（あおやぎじょう）は、長野県東筑摩郡筑北村坂北に位置する山城です。この城は、戦国時代に地元豪族の青柳氏によって築かれました。青柳城は「青柳氏城館跡」として、長野県の指定史跡にも登録されています。

概要

青柳城は、麻績氏の一族である青柳氏の本拠地で、信濃の守護であった小笠原長時が武田晴信に破れた際、青柳清長は小笠原氏から武田氏に従います。この城は重要な位置を占め、特に天文22年（1553年）における第一次川中島の戦いでは、武田晴信が一時この城を居城としました。しかし、その後長尾景虎（のちの上杉謙信）が進攻し、青柳城に火を放ちました。

武田氏が滅亡した後、青柳城主の青柳頼長は上杉景勝に従属し、信濃府中を回復した小笠原貞慶と争いを繰り広げました。後に和議が結ばれましたが、天正15年（1587年）には夫を裏切ったと誅殺されました。青柳城は、この後しばらく小笠原氏の家臣・松林氏が管理しましたが、慶長年間には廃城となります。

現在は青柳城址公園として整備され、訪問者が楽しめる場所となっています。公園内では、模擬城門や曲輪、堀切などの遺構が良好な状態で残されています。一の曲輪には小笠原貞慶時代に築かれた布目積みの石垣が見ることができます。

館跡

青柳城の館跡は、現在の清長寺の付近です。この寺は、天正元年（1573年）に青柳頼長が父・清長の菩提を弔う目的で創建しました。青柳氏滅亡後、小笠原氏がこの地を制圧し、寺を現在地に移しました。このように、歴史が刻まれた場所に立つことで、古代の情景を想像することができます。

切通し

天正8年（1580年）には、青柳頼長によって切通しが開かれ、麻績宿から青柳宿への交通が便利になりました。江戸時代には数回にわたり切り下げの作業が行われ、その記録は切通しの岩に刻まれています。この切通しは、最も大きなもので、高さ6メートル、幅3メートル、長さ27メートルの大きさを誇り、史跡としての価値が認められています。

切通しの周辺には百体観音も安置されており、訪れる人々に歴史の重みを感じさせる場所です。『善光寺道名所図会』によれれば、この切通しを通ることで、旅人や馬が快適に移動できるとされています。

青柳清庵

頼長の息子である青柳清庵は、後に真田家の家臣となります。彼は、慶長5年（1600年）の真田昌幸の九度山行きに随行し、真田信繁（幸村）と共に大坂の陣に参加しました。最終的には、信繁と共に討死したと考えられています。

青柳城は、その歴史的背景と多くの遺構が残り、訪れる人々に感慨を与える場所です。現在でも多くの観光客や歴史愛好者が訪れ、その魅力を楽しんでいます。

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