青蓮寺 (常陸太田市)

青蓮寺（しょうれんじ）

青蓮寺は、茨城県常陸太田市にある浄土真宗本願寺派の寺院です。その歴史は鎌倉時代に遡り、二人の重要な人物によって大きく変遷を遂げました。

歴史

開山と寺の創建

青蓮寺は、鎌倉時代前期に周観によって開山されました。周観は後鳥羽天皇の皇子であり、元々は天台宗の僧侶でした。寺が建立された地は、かつて皇子時代の天武天皇が滞在した御殿があったとされ、仏像と聖徳太子の像が安置されていたという由緒ある場所でした。周観は、この地に寺を創建し、「玉跡山極楽院瑞厳寺」と名付け、天台宗の寺として歩み始めました。

恵空（証性）の入寺と浄土真宗への改宗

1218年（建保6年）、恵空という僧侶が瑞厳寺を訪れました。恵空は、俗名を畠山重秀といい、畠山重忠の子でした。彼は華厳宗の明恵に弟子入りし、「恵空」と名乗って華厳経の教義を深く学びました。畠山重忠の乱で一族が討死したことを弔うため、恵空はこの地を訪れたのです。恵空は夢の中で聖徳太子から「稲田の親鸞聖人を訪れるように」というお告げを受け、親鸞の法話を聞き、感銘を受けました。その後、親鸞に弟子入りし、「恵空」から「証性」へと名を改めました。そして、瑞厳寺を浄土真宗の寺院に改め、「青蓮寺」と改称したのです。

開山・周観も親鸞に帰依

興味深いことに、青蓮寺の開山である周観も、後に親鸞に弟子入りし、「善性」と名を改めています。証性も善性も、親鸞の高弟である「二十四輩」の一員として名を連ねています。

文化財

青蓮寺には、以下の文化財が所蔵されています。

木造阿弥陀如来立像：茨城県指定有形文化財（昭和46年10月28日指定）
豊後国二孝女関係資料：常陸太田市指定文化財（平成22年9月8日指定）

交通アクセス

路線バス：芦間停留所より徒歩10分

関連項目

豊後国の二孝女

脚注

参考文献

プレスサービス 編『茨城の寺を訪ねて』茨城放送、1987年

外部リンク

常陸太田市教育委員会 - 青蓮寺

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