静岡県道12号伊東修善寺線

静岡県道12号伊東修善寺線は、静岡県伊東市から伊豆市に至る主要地方道です。東伊豆と中伊豆を結ぶ重要な役割を担っており、地域住民の生活や観光に欠かせない道路となっています。

概要

この県道は、全線にわたって片側1車線が確保されており、大型車でも安心して通行できます。特に、伊東市と伊豆市の間を隔てる冷川峠を、冷川トンネルで抜けることで、円滑な交通を実現しています。伊東市側からは松川沿いを遡るように道路が整備されており、奥野ダムまではやや急な坂道が続きます。冷川トンネルを抜けると、伊豆市役所中伊豆支所の前を通り、修善寺駅へと至ります。また、冷川峠の西側は徳永川沿いに田園風景が広がり、緩やかな勾配となっています。

路線データ

起点：伊東市東松原町（大川橋交差点、国道135号交点）
終点：伊豆市修善寺（横瀬交差点、国道136号交点）
路線延長：約23km

歴史

この県道は、もともと冷川峠を越える県道伊東大仁線として開通しました。その後、現在の名称である伊東修善寺線に改称されました。峠越え区間が狭路であったため、バイパス[[道路]]が建設されることになりました。このバイパスは、伊東市と伊豆市の境を冷川トンネルで抜ける中伊豆バイパス（有料[[道路]]、後に無料化）と、伊東市内の奥野トンネルを含む無料区間から構成されています。当初、バイパスは本道と直接接続しておらず、伊豆市側は静岡県道112号中大見八幡野線、伊東市側は静岡県道351号池東松原線を介して間接的に接続していました。しかし、後にバイパスの起終点と本道が直接接続するようになり、中大見八幡野線の徳永交差点、池東松原線の中伊豆BP入口交差点までが、静岡県道12号伊東修善寺線として重複指定されました。

中伊豆バイパスは、2008年に無料開放されました。同時に、冷川峠を通る旧ルートは指定が外され、重複指定されていた静岡県道59号伊東西伊豆線のみが残りました。

年表

1906年（明治39年）：県道伊東大仁線として冷川峠ルートで開通。
1955年（昭和30年）3月31日：県道路線として認定。
1978年（昭和53年）7月1日：中伊豆バイパスが、静岡県道路公社管理の一般有料[[道路]]として供用開始（起点：伊豆市徳永、終点：伊東市鎌田、距離：2.8km）。
1993年（平成5年）5月11日：県道伊東修善寺線が主要地方道に指定。
2008年（平成20年）7月1日：中伊豆バイパスが無料開放。

都市計画 道路伊東大仁線訴訟

この県道は、都市計画上は3･6･8伊東大仁線として位置づけられています。都市計画では、起点の東松原交差点から国道135号バイパスまでの一方通行区間（110m）を拡幅・延長することになっています。当初は幅員11mで計画されましたが、交通量増加の予測から、1997年に幅員17mに拡幅する計画に変更されました。しかし、この計画変更に対して、都市施設区域に指定された土地の所有者が建築許可を求めたところ、静岡県が都市計画に適合しないとして不許可としたため、訴訟に発展しました。

第一審では地権者の請求が退けられましたが、控訴審では、人口推計や交通量予測の過大評価、信号サイクルの不備などが指摘され、都市計画変更が違法と判断されました。この判決は、高裁レベルで都市計画の違法性が認められた初の事例として注目されました。その後、静岡県が上告しましたが、最高裁はこれを棄却し、高裁判決が確定しました。

路線状況

重複区間

静岡県道59号伊東西伊豆線：伊東市東松原町（大川橋交差点）～伊東市広野（広野一丁目交差点）
静岡県道59号伊東西伊豆線：伊豆市徳永～伊豆市八幡（八幡東交差点）

道路施設

橋

冷川大橋：伊豆市徳永にある徳永川に架かる橋。
馬場沢橋：伊豆市柳瀬にある冷川に架かる橋。
城川橋：伊豆市関野にある城川に架かる橋。
年川橋：伊豆市年川にある年川に架かる橋。
修善寺橋：終点付近の狩野川に架かる橋。

トンネル

奥野トンネル
冷川トンネル（全長588m）

地理

通過する自治体

伊東市
伊豆市

交差する道路

国道135号（伊東市東松原町・大川橋交差点、起点）
静岡県道59号伊東西伊豆線（伊東市広野・広野一丁目交差点）
静岡県道351号池東松原線（伊東市荻・中伊豆BP入口交差点）
静岡県道112号中大見八幡野線（伊豆市徳永）
静岡県道59号伊東西伊豆線（伊豆市徳永）
伊豆スカイライン冷川IC（伊豆市冷川）
静岡県道59号伊東西伊豆線（伊豆市八幡・八幡東交差点）
静岡県道349号修善寺天城湯ケ島線（伊豆市柏久保・鮎見橋交差点）
国道136号（伊豆市修善寺、終点）

脚注

注釈

出典

外部リンク

* 静岡県/交通基盤部

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