静岡総合研究機構

静岡総合研究機構（SRI）について

静岡総合研究機構は、日本の特例財団法人であり、静岡県知事のもとで運営されていました。略称はSRIまたは静岡総研とされ、地域の行政系シンクタンクを目指して設立されました。機関は、一般的に行政のニーズに応える研究や調査を実施し、自主研究や受託研究、さらには情報誌の発行、セミナーの開催といった多様な活動を展開していました。

機関の概要

静岡総合研究機構は、地域の問題や課題を研究することを目的としており、フォーラムの企画や運営、学術研究への助成を通じて学術の振興にも寄与していました。特に、基地となる本部は静岡市のもくせい会館に位置しており、事務局は研究・学術グループと総務グループの二つに分かれていました。財政的には、基本財産出捐金の約90%を静岡県が出資し、2.7%は市町村から、残りの1.9%が民間からの出資という構成でした。

沿革と重要な出来事

この機関は1984年に設立され、その初代理事長には経済学者の竹内宏が就任しました。竹内氏は後に日本長期信用銀行の専務や長銀総合研究所の理事長を務める人物であり、当機関においても長期にわたる調査・研究活動を牽引しました。静岡総合研究機構は、設立以来、地域や経済に貢献するための研究を行い、その活動は2010年度には事業活動収入が1億7000万円を超えました。

しかし、2011年度に入ってからは受託業務の減少や金利低下による基本財産運用収入の低下が懸念材料となり、公益財団法人への移行も難しいとの見通しが示されました。その結果、研究機構は2012年3月に解散する方針を打ち出しました。この決定に対し、静岡県知事の川勝平太は経済的な理由での解散に対して強い驚きの意を示しました。さらに、同知事は静岡総合研究機構の調査機能を静岡県立大学に移管する構想を発表しました。

歴代の理事長と在籍人物

機関には多くの著名な人物が在籍していました。以前にはスルガ銀行社長の岡野光喜、静岡県立大学学長の木苗直秀、国際関係学部長の佐藤三武朗などが理事として参画していました。また、竹内宏が理事長を務めたほか、経済界や行政経験を持つ評議員や理事がその活動を支援しました。

結論

静岡総合研究機構は、その多角的な研究活動や地域貢献を通じて一時期は広く認知されていましたが、不当な経済環境によって2012年に解散を余儀なくされました。この機関の歴史は、地域行政における研究の重要性を改めて示すものであり、将来的な研究機関に向けた教訓を提供しています。

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