韋放

韋放の生涯と功績

韋放（い ほう、474年頃 - 532年頃）は、中国南朝の歴史の中で特に重要な軍人および官僚であり、南朝斉から梁にかけて活動しました。彼は、北京の京兆郡杜陵県出身で、字は元直です。彼の父は韋叡で、彼自身も優れた戦士としての才覚を持っていました。

幼少期と初期の経歴

韋放は成長過程で特に目立った体格を誇り、身長は7尺7寸（約231センチメートル）、腰周りも8囲（約2.5メートル）にも達しました。そのため、彼の容姿は非常に立派で、周囲の人々の注目を集めていました。

彼はまず南朝斉の晋安王、蕭子懋のもとで主簿として仕官しました。この後、彼は南朝斉の名君、蕭衍が雍州刺史に就任すると、再び主簿として彼に仕えることになります。天監元年（502年）には盱眙郡の太守に就任し、その後も様々な官職を歴任しました。

軍事活動

韋放の真価は彼の軍事的な才能にあります。彼は天監6年（507年）に南朝梁の北伐の際、貞威将軍として指揮を執り、胡龍牙と共に曹仲宗に合流しました。天監7年（508年）、北道から寿春城に向かい、戦局の中心に立ちました。彼の関与が決定的な結果をもたらすことが多かったと言われています。

特に注目すべきは、普通8年（527年）に起こった渦陽の戦いです。ここで韋放は明威将軍として軍を指揮し、北魏の攻撃を受けた際に勇猛な戦いを展開しました。彼の従弟である韋洵が単独で北魏軍に突撃したシーンは特に有名です。

韋放自身は、「今日ただ死あるのみ」と言って、戦場の中で冷静さを保ちながら立ち向かいました。戦局が一時的に不利となるも、北魏軍の退却につながり、韋放は彼らを追撃することで成功を収めます。これにより渦陽城主の王緯が南朝梁に降伏し、韋放はその後、4200人の降兵を武装解除しました。

晩年と死

彼の功績により、韋放は太子右衛率としての地位を得て、さらに通直散騎常侍や持節・都督梁南秦二州諸軍事・信武将軍など、名誉ある職務を歴任しました。中大通2年（530年）には北徐州刺史に任命され、その地での生活を送りました。しかし、3年後、彼は59歳でこの世を去りました。その行動によって多くの人々に影響を与え、後世に名を残しました。

家族と後継者

韋放の家族については、子供が数人おり、長男の韋粲は彼の後を継ぎました。また、韋助や韋警、韋構といった他の子供たちも存在し、それぞれの道を歩んでいきました。韋放の業績は『梁書』や『南史』などの歴史書に記載されており、彼の統治と軍事的な南朝梁での役割が高く評価されています。

このように韋放は、彼の人生を通じて数々の戦功を挙げただけでなく、中国の歴史において記憶される立派な軍人であったと言えるでしょう。

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