韓国国民党

韓国国民党：韓国第五共和国時代の保守政党

韓国国民党は、1980年代の韓国第五共和国において活動した保守政党です。民主共和党と維新政友会から離党した国会議員らによって結成され、保守勢力の一角を担いました。本稿では、その設立から解党までの経緯、党勢の推移、そして韓国政治における位置づけについて詳しく解説します。

結成と初期活動

1980年11月、旧民主共和党と維新政友会に所属していた国会議員18名によって、韓国国民党の結成に向けた動きが始まりました。金鍾哲氏が創党準備委員長に選出され、翌年1月には正式に党が結成されました。金鍾哲氏は党総裁および大統領選挙候補にも指名されました。

同年3月に行われた第11代総選挙では、民主正義党、民主韓国党に次ぐ第3党となり、25議席を獲得するという成果を挙げました。党は結成趣旨において、健全な政策政党としての役割を強調していましたが、実際には既存の政治体制内での活動にとどまりました。

党勢の衰退と解党

1985年の第12代総選挙では、辛うじて院内交渉団体を維持できる20議席を獲得しましたが、その後は党勢の衰退が顕著になります。1987年10月、旧共和党総裁であった金鍾泌氏の政界復帰と新党（新民主共和党）の結成を機に、多くの党員や議員が離党しました。

1988年4月に行われた総選挙では、得票率が1％を下回り、議席を獲得することができませんでした。そのため、政党法の規定に基づき、韓国国民党は解党することになりました。

韓国政治における位置づけ

韓国国民党は、第五共和国時代の韓国政治において、保守勢力の多様性を示す一つの存在でした。しかし、短期間の活動期間と、党内の分裂、勢力拡大の失敗により、大きな影響力を持つことはできませんでした。既存の政治勢力との関係性、政策提言の内容、そして国民からの支持獲得における課題などが、党の衰退と解党につながった要因として考えられます。

韓国国民党の活動は、韓国の民主化プロセスにおける保守勢力の動向を理解する上で重要な事例と言えます。その活動を通して、当時の韓国政治における権力構造や、保守勢力の内部抗争、そして国民の政治意識などを分析することができます。

参考文献

韓国史編纂委員会　金容権編著『朝鮮韓国近現代史』日本評論社
한국국민당 Daum-백과사전
* 韓国中央選挙管理委員会編『大韓民国政党史』（韓国中央選挙管理委員会）

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