韓国標準時

韓国標準時（KST）

韓国標準時、またの名をKorea Standard Time（KST）は、大韓民国で広く使用されている公式の時間です。この標準時は、協定世界時（UTC）よりも9時間進んでおり、日本の日本[[標準時]]（JST）とも一致しています。

起源と歴史

現在の韓国標準時の基準となっているのは東経135度ですが、この経線は日本の領域を通過しており、韓国や北朝鮮の領域は含まれていません。実際、韓国の標準時の歴史は非常に複雑です。大韓帝国の時代、首都・漢城（現在のソウル）での平均太陽時が「京城時」として標準時に利用され、これは日本の中央標準時（CST）よりも約32分遅れていました。

鉄道の運行では、日露戦争が勃発した1904年以降、日本の中央標準時が導入されました。例えば、1904年11月20日に京釜鉄道が運行時刻を京城時から日本の中央標準時へと変更しました。さらに、1906年には朝鮮総督府が正式なガイドラインを発表し、すべての官公庁で日本の中央標準時を使用することが決定されました。

しかし、言語や文化の違いから、韓国側の時刻を維持する必要があるとの考えが支持を得るようになり、1908年に、韓国政府は韓国標準時を公式に制定しました。そして、この標準時は東経127.5度を基準とし、当初はUTCから8時間30分進んでいました。これは、日本の中央標準時や南満洲鉄道の西部標準時の中間にあたる位置づけでした。

その後、日本の統治下に置かれていた韓国では、1912年に標準時が再び東経135度に戻され、同時に日本の中央標準時と同じ時間となります。1937年には満洲国の標準時も日本に統一され、朝鮮と満洲の間に時差が解消されました。

独立後の動き

韓国が独立した後、1954年には李承晩大統領の指示で韓国標準時が再び東経127.5度に戻されることが決まりましたが、1961年には再度東経135度に戻され、以降も継続的に使用されています。この変更は、国際的な交通や観測の合理性を考慮してのものであったと言われています。特に、在韓米軍との協力の観点からも、その影響が強かったとされています。

一方、北朝鮮では、伝統的に東経135度を基準としており、2015年からはUTC+8:30の「平壌時間」にも変更されましたが、その後再び韓国と時差が無くなっています。

夏時間の導入と廃止

韓国と北朝鮮共に、現在夏時間制度は採用されていません。1948年から1960年の間、夏時間が実施されていた時期もあり、特に朝鮮戦争を除いた期間では1時間進める形式が取られました。しかし、1961年に夏時間制度は完全に廃止され、通年でUTC+9が維持されることとなりました。

標準時に関連する議論

韓国の現在の標準時が日本の影響を受けて改定された経緯から、基準子午線を以前の東経127.5度に戻すべきだという意見も存在します。1993年にはその検討が開始されましたが、現状維持が結論に至りました。また、各種議員による法案提案が行われましたが、いずれも成立には至っていません。

このように、韓国標準時は単なる時間の設定を超え、歴史や文化、国際関係に深く根ざした複雑な問題を内包しています。

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