韓国鉄道100000系電車

韓国鉄道100000系電車（KTX）

韓国鉄道100000系電車は、韓国鉄道公社（KORAIL）が運用している高速鉄道用の車両です。公式な名称はKTXであり、後に登場した110000系（KTX-山川）の存在によって、レトロニムとしてKTX-IやTGV-Kという名称で呼ばれることもありますが、公式には使われていません。

車両の構成と製造

この車両は、20両固定編成で構成されており、フランス国鉄（SNCF）のTGV Réseau編成を基にした韓国仕様です。動力集中方式を採用しており、両端の車両が動力車となり、残りの18両が客車です。車両はフランスのアルストム社によって製造された12編成を含め、合計34編成が韓国の現代自動車グループ傘下のロテム社にて製造されています。この製造プロセスは、主要な部品をフランスから輸入するノックダウン生産方式を取り入れています。

製造されたアルストム製の車両は、フランス国鉄で試験走行が行われた経験があります。

座席とサービス

韓国鉄道100000系の座席は、基本的に全席指定席ですが、平日には2両が自由席として運用されています。一般席の指定では追加料金は発生せず、利用客にとって便利なシステムが整っています。また、3両は特室車両で、日本のJRグループのグリーン車に相当するリクライニングシートを備え、快適な移動を提供します。特室では新聞や雑誌、オーディオ設備、そしてミネラルウォーターなどのサービスも行われています。このサービスは以前は乗務員によるものでしたが、現在はセルフサービスに移行しています。

一般車の座席は「集団見合形」と呼ばれる形式で、車両中央に向かって向かい合う配置が特徴です。この配置により、後ろ向きに着席する席が多く、不満の声も聞かれる中、開業当初は後ろ向きの座席には割引が適用される工夫がなされています。さらに、開業から2年間は座席改修が行えない契約が結ばれており、この契約が切れた後には、回転式座席への交換が検討されましたが、費用や座席数減少の問題から見送られた経緯があります。

また、車内無線LANも整備されており、無料でインターネットが利用できるようになっています。これは2011年から一般室利用者にも拡大されました。2007年からは、1号車において映画上映サービスが実施されていましたが、2014年にはサービスが終了しました。

改造工事と今後の計画

2017年には5号車の特室が一般室に変更され、編成の定員が20席増加することが発表されました。初めは承認なしに進められた改造でしたが、以降適切な手続きを経て全編成の改造が2018年までに完了しました。

2025年にはすべての車両の置き換えが計画されており、2034年には完全引退が予想されています。新たに導入される車両は、動力分散方式の16両編成となる予定です。

KTXとTGVの違い

この車両は、TGV Réseau編成をベースにしていますが、強化された構体や空気抵抗の影響を軽減するためのデザインの改良があります。特に、フランスと韓国では鉄道環境が異なり、KTX編成は韓国の鉄道システムに適応した設計がなされています。TGVの特徴を踏まえつつ、運行の要件をクリアするための利便性や安全性が重視されています。これにより、KTXはTGVの中でも特に輸送力の高い車両となっています。

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