韓国鉄道6300形ディーゼル機関車

韓国鉄道6300形ディーゼル機関車

韓国鉄道6300形は、韓国鉄道庁が所有していたエレクトロ・モーティブ・ディーゼル（EMD）製の電気式ディーゼル機関車であり、初めて登場した際には7000形という名称で知られました。発表は1969年2月10日で、同年6月からはソウル駅から釜山駅を結ぶ重要な優等列車・観光号の牽引に使用されることになりました。

導入の背景

この車両の導入は、当時の韓国の鉄道事情を大きく改善するためのものでした。特に、車体寸法が小型化されたことで運転整備重量が減少し、軸重は16.5トンと、韓国鉄道庁が保有していたディーゼル機関車の中では最も軽い記録を持つことになりました。また、出力は2,000馬力に達し、最高速度は150km/hとされ、高速運転に適した設計になっていました。さらに、登場時の減速比は2.85で、高速対応に特化した構造を持っていました。

観光号としての役割

韓国鉄道6300形の導入によって、観光号の運行時間はそれまでの5時間45分から4時間50分へと大幅に短縮され、その利便性が向上しました。1974年に「セマウル号」と改称され、その後は京釜線の重要な運行の一翼を担いました。また、1970年代初頭の一部車両においては、流線型のカバーが取り付けられていたことも特筆すべき点です。

更新と退役

しかし、同じ1970年代には、より強力な旅客用機関車である7100形や7300形の導入が進み、6300形は次第に第一線から退くことになりました。1986年にはセマウル号牽引用の新しいディーゼル機関車が登場し、従来の7000形と同一の形式名が使用されることから、6300形に改名されました。さらに後年には減速比も4.13に変更され、高速対応の技術が進化し続けました。

最後の活躍と廃車

1997年初頭には、6300形の車両が2両残っており、京元本線でのピドゥルギ号牽引などの運用が行われましたが、9501系気動車の導入に伴い、同年6月16日には運行を終了し、廃車されました。これにより、6300形は長い歴史に幕を下ろしました。

同型車両

このEMD製の6300形に関しては、製造時の形式名はG26CWであり、7000形に分類されています。また、同型機はイスラエルやエジプトなど、他の国々の鉄道にも導入され、国際的にも評価されたモデルでした。

参考文献

• - 中田廣、山田俊英『韓国の鉄道 100周年を迎える隣国の鉄道大百科』JTB、1997年12月。
• - 한국철도차량100년사編纂委員会『한국철도차량100년사』(1999年8月)。

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