韓圭復

韓圭復の生涯と業績

韓圭復（かん けいふく、ハン・ギュボク）は1881年に生まれ、1967年に逝去した朝鮮の官僚であり、戦後はジャーナリストとして活動しました。彼は朝鮮総督府の中枢院で参議としての職務を果たし、数々の政治的な役職を経験しました。彼の本貫は清州韓氏であり、日本名は井垣圭復です。彼の号は「溫齋」で、伝統的な書道を愛していました。

幼少期から教育への道

漢城府で下級官僚の家庭に生まれた韓は、1893年に乙未義塾に入学し日本語を学び始めました。彼は1897年には官立学校に通い、そこで独立協会や万民共同会に参加しました。1899年に官費留学生に選ばれ、日本の東京へ渡り、旧制中学校へ編入。その後、1900年に早稲田大学の政治経済科に進学しました。

官僚としてのキャリア

韓は1903年に政府からの命令で帰国し、参謀本部翻訳官補に就任しました。その後、1906年に度支部翻訳官に転任し、1908年には度支部書記官を兼ねることになります。1910年には朝鮮総督府土地調査局の書記官として働き、さらに晋州郡守や東萊郡守などの要職を歴任。1921年からは忠清南道や慶尚北道の参与官を務め、1926年には忠清北道知事に任命されました。彼の行政能力が評価され、1929年には黄海道知事に転任。1934年までその職務を全うしました。

韓は1933年に朝鮮総督府中枢院の参議に選ばれ、その後も日本の軍事政策に協力する立場を取り続けました。彼の影響力は大きく、特に日本の戦争活動に関与した点については、彼が主導的な役割を果たしました。具体的には、1936年に朝鮮人徴兵制要望運動に参加し、同民会副会長やその他の役職を通じて日本軍への協力を促す活動を行いました。

戦後の運命

日本が敗戦を迎えた後、韓は反民族行為特別調査委員会から調査を受けることになりますが、その結果、釈放されました。投獄されることはなく、ジャーナリストに転身しました。彼は自身の政治的経験を生かし、執筆活動を行いながら影響を与え続けました。1967年の死去まで、彼はさまざまなテーマについての執筆を行いました。

死後の評価

2004年には日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法が成立し、韓は親日反民族行為者として認定されました。このことから、彼の生涯や業績については多くの論争が残されています。

趣味と家族

趣味として書道に熱中し、彼は朝鮮美術展覧会において4回の入賞歴を持っています。また、彼の息子である韓光鎬は京畿道評議会員として活動しました。

栄典

韓圭復はさまざまな栄典を受けており、1912年の韓国併合記念章、1921年の勲六等瑞宝章、1925年の勲五等瑞宝章、1926年の勲四等瑞宝章、1929年の勲三等瑞宝章などがあります。さらには1933年4月に正四位に叙されるなど、高い評価を受けました。

彼の人生は、朝鮮の歴史の一環として多くの人々に影響を与えました。

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