韓徳勤

韓徳勤 - 中華民国の軍人

韓徳勤（かん とくきん）は中華民国（台湾）の軍人で、国民革命軍で活躍した著名な指導者です。彼は顧祝同の信任を受け、北伐や中国共産党の討伐、日中戦争、国共内戦などの歴史的な戦闘で重要な役割を果たしました。

経歴と初期の軍歴

韓は1909年に江蘇陸軍小学に入学し、辛亥革命の影響を受けて1911年には北伐軍に参加します。中華民国成立後、軍人としてのキャリアを積み、1919年には保定陸軍軍官学校を卒業しました。最初は北京政府の長江上遊総司令部に所属しましたが、1926年に広東省に移り、国民革命軍に参画します。この時、彼は国民革命軍第3師の上校参謀長に任命され、顧祝同の信任を得て彼の腹心となります。

北伐を通じて韓はさまざまな指揮官職を歴任し、その後中原大戦までに大きな昇進を遂げました。

共産党討伐と日中戦争の前期

1931年、韓は南昌衛戍司令を務めながら江西省での中国共産党討伐に従事し、一時的に捕虜になるものの、辛うじて脱出します。その後も共産党包囲に力を入れ、江西省での指摘された任務を果たしました。さらに、長征に出た紅軍を追撃する役割を果たすことになります。

1937年8月には、日中戦争の勃発に伴い上海方面へ派遣され、顧祝同と共に戦線に立ちます。この時期、彼は江蘇省政府の改組に伴い、省政府民政庁長に就任し、さらに部隊の指揮をとる責任も担いました。1938年には江蘇省北部の防衛を任され、戦力構築に尽力しました。

日中戦争の後期と国共内戦

日本との戦争が続く間、韓は鲁苏戦区の副総司令に就任し、1939年には江蘇省政府主席に昇進することになります。一方で、新四軍との激しい戦闘もあり、彼は多くの敗北を喫します。1943年には捕虜となり、間もなく釈放されましたが、戦局は依然として厳しいものでした。

1945年、彼は江蘇省政府主席の地位から退き、その後国共内戦のさなか、国民党側の重要な職務に関与し続けました。

台湾への亡命と晩年

1949年、韓は中国人民解放軍に敗れ、台湾に逃れます。台湾では中華民国総統府の戦略顧問を務め、1952年には軍を退役しました。晩年は教育や社会事業に携わり、1988年に台北市で亡くなるまでその活動を続けました。彼の享年は97歳（満95歳）でした。

韓徳勤の生涯は、数々の戦争の中で変転しながらも、自身の信念を貫いたものでした。彼の軍人としてのキャリアは、台湾や中華民国の歴史の中でも重要な章として語り継がれています。

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