音楽隊 (航空自衛隊)

航空自衛隊音楽隊

航空自衛隊音楽隊は、諸外国の軍楽隊に相当する組織であり、航空自衛隊の職種である「音楽員」によって構成されています。その主な任務は、音楽演奏を通して、国家的な儀式や式典での演奏、隊員の士気高揚、広報活動、そして国際親善に貢献することです。

任務

航空自衛隊音楽隊の任務は、大きく分けて以下の4つに分類されます。

儀式・式典演奏: 国家行事や外国要人の来日時の式典において、重要な役割を担います。これには、国家的式典での演奏や、海外からの賓客を迎える際の歓迎演奏などが含まれます。
士気振作: 隊員の士気を高めるため、各基地を訪問して演奏を行います。音楽の力によって、隊員たちのモチベーション向上に貢献しています。
広報活動: 自衛隊の活動を広く社会に知ってもらうため、定期演奏会や各種イベントで演奏を行います。CD録音やテレビ番組への出演、さらには競馬のファンファーレや大相撲での国歌斉唱など、多岐にわたる活動を展開しています。
国際的な活動: 国際軍楽祭への参加などを通じて、国際親善に貢献します。異文化交流を促進し、国際的な相互理解を深める役割も担っています。

編成

航空自衛隊には、防衛大臣直轄の航空中央音楽隊と、各地域を管轄する4つの航空方面隊音楽隊があります。

航空中央音楽隊

東京都府中市の府中基地に所在する航空中央音楽隊は、1958年に浜松基地で仮編成された音楽隊を前身としています。1961年には防衛庁長官直轄の音楽隊となり、1982年に現在の航空中央音楽隊へと改称されました。1992年にはアジアで初めて「ジョージ・S・ハワード大佐顕彰優秀軍楽隊賞」を受賞し、その実力は国際的にも高く評価されています。

主な沿革

1958年: 浜松基地で音楽隊が仮編成。
1959年: 臨時航空音楽隊が発足。
1961年: 防衛庁長官直轄の航空音楽隊となる。
1962年: 第1回定期演奏会を開催。
1964年: 東京オリンピックで演奏を担当。
1982年: 航空中央音楽隊に改称。
1992年: 「ジョージ・S・ハワード大佐顕彰優秀軍楽隊賞」を受賞。
1999年: カナダの国際軍楽祭に初参加。
2015年: 「ニコニコ超会議」に出演、「日本管打・吹奏楽アカデミー賞」を受賞。
2017年:「ニコニコ超会議」に出演。声楽専攻の森田早貴隊員が入隊。
2018年: ドイツ、オランダの国際軍楽祭に参加。
2019年: 今上天皇の即位の礼で沿道奏楽を担当。
2022年: フランスの国際軍楽祭に参加。安倍晋三国葬儀で演奏。
2023年: 府中基地の新庁舎に移転。スイスの国際軍楽祭に参加。
2024年: 金管五重奏とボーカルユニットがフィリピンで親善演奏。

方面音楽隊

各航空方面隊には、以下の音楽隊が設置されています。

北部航空音楽隊: 青森県三沢市三沢基地に所在。
中部航空音楽隊: 静岡県浜松市浜松基地に所在。
西部航空音楽隊: 福岡県春日市春日基地に所在。
南西航空音楽隊: 沖縄県那覇市那覇基地に所在。ジャズを中心とした編成が特徴。

隊員の処遇

採用

音楽隊員になるには、自衛官採用試験の合格だけでなく、各音楽隊が実施する説明会への参加と実技試験をクリアする必要があります。募集は空きのあるパートに限られ、競争倍率は非常に高くなっています。

採用区分は自衛官候補生、一般曹候補生、一般幹部候補生（音楽要員）があり、入隊後は一般隊員と共に基礎教育を受けます。その後、音楽要員としての適性検査に合格した者のみが、航空中央音楽隊での集合教育訓練を経て各音楽隊に配属されます。

近年は音楽大学卒業者が多いですが、一般大学や高校卒業者も在籍しており、中には留学経験者やフリーランス経験者もいます。音楽隊には術科学校がないため、即戦力となる人材が求められます。

日常の業務

楽器練習に加え、デスクワークや体力錬成、行進演奏訓練、射撃訓練など、自衛官としての基礎訓練も行います。

定年

音楽隊員の定年は階級に関わらず60歳と定められています。

関連事項

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音楽隊 (陸上自衛隊)
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自衛隊音楽まつり

外部リンク

航空中央音楽隊
航空自衛隊航空中央音楽隊 JASDF Central Band【公式】(@JASDF_Cen_Band) - Twitter
北部航空音楽隊（北部航空方面隊の組織）
中部航空音楽隊（中部航空方面隊部隊紹介）
航空自衛隊中部航空音楽隊　JASDF Central Air Defense Force Band（@jasdf_cab） - Twitter
西部航空音楽隊
南西航空音楽隊（南西航空方面隊部隊紹介）

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