北部航空方面隊

北部航空方面隊について

北部航空方面隊（Northern Air Defense Force：NADF）は、航空自衛隊に4つある航空方面隊の一つで、航空総隊の指揮下に入り、主に北海道と北東北地域の防空を担う重要な部隊です。司令部は青森県三沢市の三沢基地に置かれています。

概要

北部航空方面隊は、2個航空団を主力とし、戦闘機4個飛行隊のほか、9個の警戒隊（固定レーダーサイト）、そして高射群など、様々な部隊で構成されています。その防衛担当区域は、ロシアと国境を接する北海道・北東北地域であり、冷戦時代にはソビエト連邦（現ロシア）の航空機に対する要撃任務が頻繁に実施されました。

1976年には、ソ連のベレンコ中尉がMiG-25戦闘機で亡命するという事件が発生し、この際にはソ連に対する高度な警戒態勢が敷かれました。また、1983年に発生した大韓航空機撃墜事件では、北部航空方面隊のレーダーサイトが関係航空機の監視を行っていました。

沿革

北部航空方面隊の歴史は、1957年7月15日に三沢基地に編成された「臨時北部航空司令部訓練隊」に遡ります。その後、同年9月2日には第2航空団が浜松基地から千歳基地へ移駐しました。1958年8月1日、臨時北部航空司令部訓練隊は「北部航空方面隊」司令部へと改編され、部隊の主力は第2航空団が担いました。

1961年には、北部航空施設隊が新編され、7月15日には北部航空警戒管制団が改編・設置されました。1970年6月30日には第3高射群が新編され、防空体制が強化されました。1976年9月6日にはベレンコ中尉亡命事件が発生し、10月1日には北部航空音楽隊が新編されました。

1978年3月31日には、第3航空団が小牧基地から三沢基地へ移駐し、北部航空方面隊に編入されました。1979年3月31日には第6高射群が新編され、1999年3月29日には司令部組織が改編され、副司令官職が新設されました。また、監理部と人事部が廃止・統合され、総務部が新設されました。

2021年9月7日には、司令部が新庁舎への移転を完了し、庁舎落成式が挙行されました。2023年3月16日には、第3高射群と第6高射群が廃止・統合され、北部高射群が新編されました。

部隊編成

現在の北部航空方面隊は、以下の部隊で構成されています。

北部航空方面隊司令部 （三沢基地）
第2航空団 （千歳基地）
第3航空団 （三沢基地）
北部航空警戒管制団 （三沢基地）
北部高射群 （三沢基地）
北部航空施設隊 （三沢基地）
北部航空音楽隊 （三沢基地）

これらの部隊は、それぞれの役割を担い、北海道・北東北地域の防空任務に当たっています。

司令部編成

北部航空方面隊の司令部は、司令官を筆頭に、副司令官、幕僚監部などで構成されています。

主要幹部

主要な幹部については、公式ウェブサイトなどで確認できます。

脚注

関連情報は、以下の公式サイトをご参照ください。

関連項目

中部航空方面隊
西部航空方面隊
南西航空方面隊

外部リンク

北部航空方面隊ホームページ
航空総隊部隊紹介

もう一度検索