龍造寺信周

龍造寺信周（りゅうぞうじ のぶかね）

龍造寺信周は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将で、須古鍋島家の初代当主です。別名として龍造寺信親とも呼ばれます。

生涯

天文元年（1532年）、龍造寺周家の次男として生まれました。兄に龍造寺隆信がいますが、異母兄弟であったため、隆信や同母弟の長信に比べると家内での地位は低かったと推測されています。

元亀元年（1570年）、大友氏と龍造寺氏の間で今山の戦いが起こりました。この戦いでは、龍造寺軍が局地戦では大勝しましたが、国内情勢は不安定であり、大友氏との抗争を続けることは不利と判断されました。そのため、大友氏からの要請を受け、信周は人質として大友氏へ派遣され、和睦を成立させました。

天正12年（1584年）、沖田畷の戦いで兄の隆信が戦死した後、信周は須古城に移りました。豊臣秀吉による九州平定や、朝鮮出兵などを経て、龍造寺氏から鍋島直茂への権力移譲が進むと、信周はこの流れに従い、鍋島氏による肥前国支配体制を認めました。

その後、龍造寺高房が龍造寺氏の復権を目指し活動しましたが、幕府が事情聴取のため、信周と弟の長信、龍造寺家晴の三人を江戸に呼びました。この際、三人は鍋島氏の肥前支配を認め、鍋島氏による肥前支配が決定的なものとなりました。

信周の子孫は須古鍋島家として、佐賀鍋島家の重臣として明治維新を迎えることになります。

慶長13年（1608年）、信周は亡くなり、跡を次男の信昭が継ぎました。

信周は、戦国時代から江戸時代初期という激動の時代を生き抜き、龍造寺氏から鍋島氏への権力移行期において、重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

補足

龍造寺四家とは、龍造寺氏の一門の中でも特に有力だった四つの家系のことです。須古鍋島家はその一つです。
佐賀鍋島家とは、江戸時代に肥前国佐賀藩を治めた鍋島氏のことです。須古鍋島家は、佐賀鍋島家の重臣として藩政を支えました。

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