須山浅間神社

須山浅間神社の詳細

須山浅間神社は、静岡県裾野市須山に位置する神社で、古くから富士山信仰の中心地の一つとして栄えてきました。旧社格は郷社であり、全国に数多ある浅間神社の中でも、特に重要な位置を占めています。登記上の宗教法人名称は浅間神社となっています。

世界文化遺産

須山浅間神社は、「富士山－信仰の対象と芸術の源泉」という名称で世界文化遺産に登録されており、その構成資産の一部として、世界的にその価値が認められています。登録名称は「須山浅間神社」です。この登録は、富士山に対する信仰が、歴史的、文化的に重要な意味を持つことを示しています。

祭神

主祭神は、以下の三柱の神々です。

木花咲耶姫命（コノハナサクヤヒメノミコト）
天津彦火瓊瓊杵尊（アマツヒコホノニニギノミコト）
大山祇命（オオヤマツミノミコト）

由緒

社殿旧記によると、神社の創建は日本武尊の東征の際に遡るとされています。その後、欽明天皇13年（552年）に蘇我稲目が再興したと伝えられています。このことから、須山浅間神社が非常に古い歴史を持つ神社であることがわかります。

概要

古くは「珠山」と称され、富士山の須山口に鎮座する浅間神社として知られていました。鎌倉時代の正治2年（1200年）に編纂された『末代証拠三ケ所立会証文』には、「東口珠山」「南口大宮」「北口吉田」という記載があり、当時から須山口が存在していたことが確認できます。また、室町時代の文明18年（1486年）には、道興が著した『廻国雑記』に「すはま口」として記録されています。

これらの記録から、鎌倉時代から室町時代にかけて須山口が富士登山道の重要な拠点であったことがうかがえます。しかし、宝永4年（1707年）の宝永大噴火により、須山口は甚大な被害を受け、登山ルートの一部変更を余儀なくされました。完全に復興したのは、安永9年（1780年）のことでした。当時、登山道や周辺の宗教施設は須山浅間神社が管理していました。

現在の社殿は、文政6年（1823年）に再建されたものです。社伝では、神代または景行天皇40年（110年）に創建されたと伝えられていますが、遅くとも大永4年（1524年）には存在していたことが確認されています。現在の拝殿は、2013年（平成25年）に改修されています。

文化財

須山浅間神社は、国の史跡「富士山」に包括されており、その歴史的、文化的な価値が認められています。これは、神社が富士山信仰の歴史を語る上で欠かせない存在であることを示しています。

現地情報

所在地: 静岡県裾野市須山柳沢722
交通アクセス:
鉄道:
JR御殿場線岩波駅からタクシーで約21分（10km）
JR御殿場駅から富士急シティバス十里木、ぐりんぱ、イエティ方面行きで約25分、津土井下車、徒歩5分
東海道新幹線三島駅からタクシーで約35分（20km）または富士急シティバスで約50分、須山下車、徒歩10分
車: 東名高速道路裾野ICから約16分（8.6km）

脚注

1. 宮地直一著『浅間神社の歴史』、名著出版

外部リンク

須山浅間神社 (@suyamasengen) - X（旧Twitter）
浅間神社 - 静岡県神社庁

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