須我神社

須我神社について

須我神社（すがじんじゃ）は、島根県雲南市大東町須賀に位置する神社で、かつては県社でした。この神社は、須佐之男命（すさのおのみこと）が八岐大蛇（やまたのおろち）を退治した後、宮殿を建てた場所とされ、「日本初之宮」と自称しています。また、出雲國神仏霊場第十六番札所としても知られています。

祭神

主祭神は、須佐之男命とその妻である稲田比売命（いなだひめのみこと）、そして両神の子である清之湯山主三名狭漏彦八島野命（すがのゆやまぬしみなさろひこやしまのみこと）です。また、諏訪大社の分霊である武御名方命（たけみなかたのみこと）も祀られています。

歴史

神社の由緒によれば、『古事記』に、須佐之男命が八岐大蛇を退治後、稲田比売命とともに住む場所を探し、当地に来て「気分がすがすがしくなった」と感じ、「須賀」と名付けたとあります。この地に建てられた宮殿が「日本初之宮」とされ、須佐之男命が詠んだ歌が日本初の和歌であることから、「和歌発祥の地」とも称されています。

天平5年（733年）に編纂された『出雲国[[風土記]]』には「須我社」として記録されています。しかし、当時の須我社は神祇官の管轄ではなく、延長5年（927年）の『延喜式神名帳』にも記載されていません。元々の祭神は、大原郡海潮郷の伝承に登場する須義禰命（すぎねのみこと）であったと考えられていますが、記紀神話の影響で須佐之男命と結びつけられたという説もあります。

神社の背後にある八雲山には、夫婦岩と呼ばれる巨石と小さな祠があり、これが当社の奥宮となっています。この巨石は磐座（いわくら）であり、元々は須賀の地の総氏神として信仰されていました。

天文年間（1532年～1554年）、信濃国諏訪から当地に赴任した中沢豊前守が、信仰していた諏訪大社の武御名方命を勧請し、須我神社に合祀しました。その後、長らく「諏訪大明神」と称され、一帯の地名も「諏訪村」となっていましたが、明治22年（1889年）に地名・社名ともに「須我」となりました。明治25年（1892年）には県社に列せられました。

神紋

神紋は「巴」です。

摂末社

境内には、以下の摂末社が祀られています。

海潮神社
天神神社、大石神社、山神神社（合祀）
若宮神社
稲荷神社、秋田神社、火守神社、琴平神社、木山神社（合祀）
弁護荒神社
虚空社（隣接する寺院との境界付近）
御親神社、社日神社、義綱神社（境内の奥）
夫婦岩（奥宮）

主な行事

須我神社では、年間を通して様々な祭事が行われています。

2月17日 - 百手の的神事
6月30日 - 茅之輪神事
8月22日 - 茣蓙替祭、八雲祭
9月27日 - 鹿食神事
9月28日 - 例大祭

特に注目すべきは、例祭の前夜祭に執り行われる「鹿食神事」です。かつては鹿の頭が供えられていましたが、現在では茄子の輪切りを鹿の頭に見立てて供え、国家安泰と五穀豊穣を祈願します。この神事は、諏訪大社の分霊が合祀されたことによって始まったと考えられています。江戸時代には鹿食免も出されていたそうです。

交通アクセス

JR乃木駅から雲南市民バス大東行きに乗車し、「須賀」バス停で下車。
JR出雲大東駅から雲南市民バス乃木駅行きに乗車し、「須賀」バス停で下車。

参考文献

勝部正郊『神の国の祭り暦』 平成14年（2002年） 慶友社 ISBN 4-87449-232-0
関和彦『『出雲国[[風土記]]』註論』 平成18年（2006年） 明石書店 ISBN 4-7503-2376-4

注釈

関連項目

八重垣神社（島根県松江市佐草町）
須佐神社 (出雲市)（島根県出雲市佐田町須佐）
斐伊神社（島根県雲南市木次町里方）
須賀神社（類似の社名の神社の分布）

外部リンク

須我神社 - 公式サイト
* 須我神社（出雲國神仏霊場）


須我神社は、古代の神話と歴史が色濃く残る、非常に興味深い神社です。ぜひ一度訪れて、その神聖な雰囲気を感じてみてください。

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