須磨 (防護巡洋艦)

防護巡洋艦「須磨」

「須磨」は、日本海軍の防護巡洋艦であり、姉妹艦に「明石」が存在します。その艦名は、神戸市の美しい景勝地である「須磨」に由来しています。

構想と建造

艦の建造は1890年（明治23年）から計画され、横須賀での建造が決定されました。初期の計画では、艦の大きさは全長300フィート（約91メートル）、最大幅40フィート（約12メートル）というものでした。排水量は約2,800英トン、速力は20ノット以上を目指していました。武装には6インチ（15センチ）の速射砲6門や12センチの速射砲6門などが含まれていましたが、設計が大型の二等巡洋艦に近づいたため、最初の設計案は不採用となりました。

1891年（明治24年）に新たな詳細設計が指示され、最終的には2,500英トンの排水量、速力21ノット（強圧通風時）を持つ艦を構想しました。この設計は、砲艕兵装や探照灯に加え、296名の乗員が搭乗できるようになっていました。1895年3月9日には命名式が執り行われ、「須磨」と名付けられました。

機関と兵装

「須磨」の主機関は、当初4気筒3段レシプロエンジンが予定されていましたが、設計上の制約から起工準備中に3気筒へと変更されました。出力は8,500馬力を予定し、ボイラーは8基の円缶をもつ密閉式の強圧通風装置が採用されました。

兵装については、15センチ速射砲2門、12センチ速射砲6門に加え、3ポンド速射砲を12門、魚雷発射管を3門装備していました。これにより「須磨」は強力な火力を持つ艦となったのです。

就役と艦歴

1896年6月に試験航行を行うも、いくつかの機関故障が発生しました。その後、1897年には常備艦隊の旗艦となり、日露戦争においても重要な役割を果たしました。特に旅順攻撃や日本海海戦など、数々の戦闘に参加し、艦隊の一翼を担いました。

「須磨」は1912年に二等巡洋艦へと等級変更され、第一次世界大戦にも参加しました。その後、1921年に「須磨」は二等海防艦へと類別変更されましたが、1923年に除籍され、艦艇類別等級表から削除されました。

除籍後の運命

「須磨」は除籍後、雑役船として佐世保防備隊で使用されましたが、最終的には売却されて解体される運命を辿りました。このように「須磨」は、初期の防護巡洋艦の歴史に深く根付いた艦艇であったことがうかがえます。多くの艦長たちがその指揮を執り、さまざまな歴史的瞬間を経て、海軍の発展に寄与しました。

「須磨」という名は、幕末から続く艦船の中でも特に記憶に残る存在であり、その艦歴は日本海軍の歴史において重要な位置を占めています。

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