飛部

飛部（ひぶ）について

飛部とは、漢字の部首の一つであり、空中での飛翔に関連する漢字を分類したグループを指します。具体的には、康熙字典において214の部首の中で183番目に位置しています。これは、9画の8番目にあたるもので、戌集の17番目でもあります。

飛の意味

「飛」という漢字は、主に鳥や昆虫が空を飛ぶ行動を示す言葉です。この字の形は、小篆において鳥が翼を広げて飛んでいる姿を象徴しています。さらに、「蜚」という字も音が同じで、意味もほぼ類似していますが、こちらは主に空中を飛ぶ昆虫に関連しています。「飛」は形容詞的な用法も持ち、非常に速い様子や高い声、または高い位置にあるものが急に飛び出す様子、さらに根拠のない結果や意外性を表す際にも使われます。

飛部の漢字

飛部に属する漢字は基本的に少なく、JIS漢字では「飛」自身と「飜」のみが含まれています。それ以外にも「飝」「䬡」「𩙵」「𩙶」「𩙺」といった漢字が存在しますが、これらは現代において日常的に使われることはほとんどありません。中国では、この「飛」や関連の漢字を簡略化して「⻜」と表記されますが、Unicodeで「⻜」の形で使われている漢字は2024年の段階でも「𬲉」「𮨶」など数少ないものに限られています。

現代中国における飛部の扱い

現代の中国において、部首の分類法は進化してきました。飛部の扱いに関しては、中華字海や「GB13000.1字符集漢字部首帰部規範」では依然として存在していますが、「辞海」の250部首の体系では飛部は取り除かれています。このように、飛部は時代と共にその位置付けが変わりつつあることが分かります。

各国における呼称

飛部は、国によって異なる名称で呼ばれています。日本では「とぶ」と呼ばれ、韓国では「날비부（nal bi bu）」と名付けられています。英語圏では「Radical fly」と表現されます。

音韻

飛部の「飛」の音は、音韻学的にも興味深い特徴があります。

• - 中古音: 廣韻においては「甫微切」や「微韻」の平声に分類され、詩韻でも「微韻」の平声として分類されています。
• - 現代音: 現代中国語では普通話で「fēi」と発音し、注音では「ㄈㄟ」と表記されます。広東語では「fei1」と表記され、他の言語でも異なる発音が存在します。

例字

飛部に関連する漢字としては、「飛」や「飜（翻）」、さらには「飝」などが挙げられます。それぞれの漢字は、飛翔や変化を表す言葉として使用されています。特に「飜」は「翻」の意味を持つため、羽部とも関連があります。それぞれの漢字は、その形や音からも様々な文化的背景や意味が込められているのです。

もう一度検索