飛野牧場

有限会社飛野牧場の概要

有限会社飛野牧場（とびのぼくじょう）は、北海道日高郡新ひだか町に拠点を置く、競走馬の生産と育成を専門とする牧場です。この牧場は1950年に創業され、現在の代表である飛野正昭氏は、社台グループの創業者である吉田善哉氏と深い親交があることで知られています。正昭氏は30代の頃、吉田氏の運転手としても活動し、海外の競馬セリにも同行して新たな知見を得てきました。

繁殖と育成への強いこだわり

飛野牧場では、馬の健康と成長にとって最も重要なのは良質な餌と水、そして新鮮な空気であると考えています。特に牧草の質には特にこだわりを持っており、馬たちがリラックスしながら成長できる環境を整えています。また、繁殖牝馬の数を適切に管理し、1頭あたりの放牧地が十分な広さを保持できるよう配慮しています。

さらに、馬のトレーニングにおいては、特にウォーキング時にクラシック音楽を流すことで、馬たちのリラックスを促す工夫がされています。音楽の効用を取り入れたトレーニングも、飛野牧場の特徴の一つです。

注目の生産馬

2019年には、イギリスのディセンバーセールで競り落とされたロジャーバローズが東京優駿（日本ダービー）を制覇し、牧場史上初出走での快挙を成し遂げました。この成功は、飛野牧場にとって大きな意味を持つ出来事であり、馬の育成と管理に対する努力が実を結んだ瞬間でした。

さらに、飛野牧場は日本中央競馬会（JRA）および地方競馬全国協会（NAR）に登録された馬主として活動。勝負服のデザインは白に赤の十字襷、紫の袖と特徴的で、多くの競馬ファンにも親しまれています。

主な生産馬と成績

飛野牧場からは、数多くの名馬が誕生しています。その中でも特に注目すべきは、以下の馬たちです。

• - GI級競走優勝馬

- ネームヴァリュー（2002年京成盃グランドマイラーズ、ファーストレディー賞、2003年TCK女王盃、大井記念、帝王賞、東京記念）
- ロジャーバローズ（2019年東京優駿）

• - 重賞競走優勝馬

- オオミシャダイ（1982年北九州記念）
- カネシヨウスーパー（1983年川崎記念）
- トウホーセブン（1987年鳥海大賞典）
- ハライメージ（1987年こまくさ賞）
- ブルーベイブリッジ（1990年テレビ東京賞3歳牝馬ステークス）
- スルガスペイン（1991年樹氷賞、1993年金盃）
- スマートロビン（2012年目黒記念）
- ピサノエミレーツ（2012年せきれい賞）
- ノーワン（2019年フィリーズレビュー）

主な所有馬としては、ネームヴァリューが挙げられます。

エピソード

ロジャーバローズによるダービー制覇を成し遂げた騎手の浜中俊氏は、実は飛野牧場の所有馬であるシャイナムスメで特別戦の初勝利を挙げたことがあります。この縁が、ロジャーバローズの成功に繋がったとも考えられます。

また、ダービー制覇の後には、牧場に200本近い花が贈られる大盛況となり、日高の花屋からは胡蝶蘭が完売してしまうほどの騒ぎになりました。これもまた、飛野牧場の名声を支えるエピソードの一つです。

有限会社飛野牧場は、これからも優れた競走馬を生産し、競馬界の発展に寄与し続けることでしょう。

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