飛鳥井雅庸

飛鳥井雅庸（あすかい まさつね）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した公卿・歌人であり、飛鳥井家13代当主です。父は飛鳥井雅敦。その生涯は、文化と政治が交錯する時代を色濃く反映しています。

生涯

永禄12年（1569年）に生まれた雅庸は、わずか2歳で叙爵され、公卿としての道を歩み始めます。慶長2年（1597年）には従三位に叙され、慶長6年（1601年）に雅庸と改名しました。その後、慶長18年（1613年）には従二位に昇り、元和元年（1615年）には権大納言に任じられるなど、順調に昇進を重ねました。

文化人としての雅庸は、昭高院准后道澄から古今伝授を、藤木成定から書道（入木道）の伝授を受けました。天正18年（1590年）には、後陽成天皇の勅使として、広橋兼勝・吉田兼治と共に小田原城を包囲中の豊臣秀吉を慰問するという重要な役目を果たしています。文禄3年（1594年）には豊臣秀吉の吉野の花見に同行し、高野山参詣にも従いました。また、駿府では徳川家康に『源氏物語』の奥義を伝授し、後水尾天皇、徳川秀忠、細川忠興、島津家久といった有力者に蹴鞠を指導するなど、その才能は多岐にわたりました。

日記に『雅継卿記』、歌集に『入道大納言雅庸卿百首』などがあり、当時の文化や生活を知る上で貴重な資料となっています。

家族

父は飛鳥井雅敦。室は本多康重の娘。子には、長男の飛鳥井雅賢、二男の難波宗勝（飛鳥井雅宣、雅胤）、四男の飛鳥井雅章がいます。雅賢は猪熊事件により隠岐に配流され、宗勝は難波家を再興するも猪熊事件により伊豆に配流されましたが、後に赦免され飛鳥井家を継承しました。雅章は兄である雅宣の養子となり、後に飛鳥井家を継承しています。



飛鳥井雅庸は、公卿として、また文化人として、多岐にわたる才能を発揮し、その足跡を इतिहास に刻みました。彼の残した日記や歌集は、当時の社会や文化を知る上で貴重な資料であり、その功績は आज भी 評価されています。

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