飯塚オートレース場

飯塚オートレース場：歴史と進化を続ける福岡の公営競技

飯塚オートレース場は、福岡県飯塚市に位置するオートレース場です。全国5箇所のオートレース場の1つとして、長年にわたり地域住民に親しまれてきました。その歴史は古く、1957年2月22日に開設されました。当初は現在の健幸スポーツ広場付近に設置され、600mのダートコースでレースが行われていましたが、1967年10月6日、走路の舗装化に伴い現在地に移転しました。

地域と共に発展

飯塚市は、このオートレース場を「旧産炭地の発展を支えた市の顔」と捉え、赤字経営に苦しむ他の自治体とは異なり、積極的に支援を継続しています。これは、飯塚オートレース場が単なる公営競技ではなく、地域経済や文化に深く関わっていることを示しています。50周年を迎えた2007年には、その歴史と貢献を改めて認識させる機会となりました。

運営の変遷と近代化

2013年度末には累積赤字が14億円に達し、飯塚市は2015年度からレース場の運営を民間に委託する決断をしました。日本トーターが受託者となり、運営の効率化と活性化が図られました。近年では、1967年の移転後初となる大規模な改修工事が行われ、2022年にはメインスタンドの建て替えのため一時的に開催が休止されました。2025年6月には全面リニューアルが予定されており、更なる発展が期待されます。

ナイター・ミッドナイト競走への対応

飯塚オートレース場は、時代の流れに合わせてナイター競走とミッドナイト競走にも対応しています。2005年にはGIダイヤモンドレースが同場初のナイター競走として開催され、翌年にはSGオートレースグランプリもナイター開催となりました。これは、オートレースにおける初のナイター開催によるSG開催という快挙でした。現在では、普通開催でもナイター競走が月1回の頻度で開催されています。

ミッドナイト競走は2015年に初開催され、競輪のミッドナイト競輪と同様に深夜帯のレースとして人気を集めています。当初は試験的に8車6R制で行われましたが、現在は他場でのナイター競走との同時開催も可能となり、ナイター終了後の21時以降に7車6R制で開催されています。照明設備に関しても、当初は移動式照明車を使用していましたが、2020年10月には常設の照明装置に変更されました。

中継と情報発信

レースの中継は、CS放送とインターネット配信によって行われています。日中のCS放送では、AKIによる司会、堂前英男、吉原完、加奈山翔らによる実況、元飯塚所属の釜本和茂らによる解説などが行われています。ミッドナイトオートレースの中継も充実しており、インターネット配信では、めいちちゃん（藤川さやか）が番組MCを務めるなど、多様な情報発信に力を入れています。配信媒体もニコニコ生放送からYouTubeへと変更され、視聴者の利便性向上にも努めています。

場外車券売場とアクセス

飯塚オートレース場は、場外車券売場も多数設置されています。鹿児島県内を中心に、競輪場外車券売場と併設された場外車券売場が複数あります。アクセスは、JR九州福北ゆたか線浦田駅から徒歩10分、または飯塚バスターミナルからの無料送迎バスも利用可能です。本場開催日には、周辺地域からの無料送迎バスも運行されています。九州自動車道八幡ICからも車で約30分と、アクセスしやすい立地です。

トピックス：様々な取り組みと出来事

飯塚オートレース場には、ハチをモチーフにしたマスコットキャラクター「イービー」と、ミッドナイトオートレースのマスコットキャラクター「ヤオビー」がいます。また、飲酒運転防止のため、2006年からは場内でのビール販売が中止されています。正面入口の上には飯塚オート展示室があり、オートレースの歴史や、かつて飯塚のエースだった中村政信選手の愛車などが展示されています。過去には、出場選手に田中姓が多かったことから「田中選抜」というレースが開催されたこともありました。鳥の群れによるレース中止という珍しい出来事や、イメージソングの採用、無観客ナイター開催など、様々なトピックスがあります。オートレースとボートレースのコラボレーション企画なども実施していました。

飯塚オートレース場は、単なるレース場としてだけでなく、地域社会に貢献し、常に変化を続けるエンターテインメント施設として発展を続けています。今後も、歴史と伝統を大切にしながら、新たな魅力を創造し続けていくことが期待されます。

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