飯山満川

飯山満川について

飯山満川（はさまがわ）は、千葉県船橋市を流れる、海老川水系の二級河川です。

地理

飯山満川は、船橋市薬円台5丁目の国道296号付近を水源とし、暗渠となって北へ流れます。新京成線に沿って進路を変え、習志野駅付近で再び暗渠となります。その後、西習志野で開渠となり、下総台地から谷底へと流れ込みます。谷底平野を西に進み、飯山満町との境界を流れ、最終的に海老川に合流します。流路延長は6,032mで、そのうち2,780mが二級河川に指定されています。

上流部は宅地化が進んでいますが、飯山満町から米ケ崎町にかけては田園が残っています。飯山満駅周辺では、土地区画整理事業により直線化・暗渠化が進められています。

治水

飯山満川は、上流部の暗渠から開渠に変わる西習志野付近が水害の常襲地帯です。そのため、排水機場を設置するなど対策を講じてきました。また、中下流部では、1991年から河川改修事業が開始され、流路の直線化、護岸整備、調節池の設置が進められています。

しかし、河川整備は、長らく普通河川であったことや、地権者との調整、区画整理事業の遅延などにより、遅々として進んでいません。特に鉄道路線に近接しているため、高度な技術が必要とされ、多額の費用がかかっています。そのため、船橋市は国庫補助金を得るために二級河川への昇格を要望し、1998年に一部区間が二級河川に指定されました。

護岸整備は、河道付け替えが主となるため、進捗は年間15m程度と遅く、事業完了は2031年度の予定です。飯山満駅周辺の700mについては、住宅市街地基盤整備事業において優先的に整備が進められています。

調節池は、1号池が飯山満駅南西、2号池が飯山満駅前ロータリー西隣、3号池が飯山満駅前ロータリー北隣に位置しています。1号池は区画整理事業区域内の雨水貯留、2号池は逸水対策が目的です。3号池は、都市再生機構によって芝山団地敷地内の雨水貯留のために整備されました。1号池は完成し供用開始されましたが、2号池は高架橋の近接と軟弱地盤が原因で着工が遅れています。

下流域では、海老川上流土地区画整理事業の進捗を待って河川整備を行う予定でしたが、地権者の反対により事業実施が不透明な状況です。そのため、千葉県は河川整備を優先するために計画の見直しを予定しています。2号調節池の動向も影響を受けるため、今後の河川改修事業の見通しは立っていません。

生物

飯山満川には、メダカやモツゴ、ドジョウなどの在来種に加え、コイやアカミミガメのような外来種も生息しています。海老川との合流点には落差工があるため、ボラやマルタウグイのような汽水魚が遡上することはありません。

参考資料

社会資本整備総合交付金事業　二級河川海老川水系海老川・飯山満川事業再評価（千葉県県土整備部河川整備課、2014年1月15日）
海老川・飯山満川の事業状況報告（海老川流域懇談会事務局）

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