飯田哲也 (環境学者)

飯田 哲也 (いいだ てつなり)

飯田哲也は1959年1月8日に山口県で生まれた日本のエネルギー学者、また政治活動家として知られています。彼は特に環境エネルギー政策の推進者として認識されており、認定NPO法人の環境エネルギー政策研究所の所長を務めています。彼のキャリアには、日本総合研究所主任研究員、自然エネルギー財団業務執行理事、大阪府市特別顧問の役職が含まれています。

学歴と初期のキャリア

飯田は、山口県立徳山高等学校の理数科を卒業後、1977年に京都大学工学部原子核工学科に進学しました。大学生活ではワンダーフォーゲル部に参加し、約100日間山に入る生活を許可されました。1983年に大学院修士課程を修了し、神戸製鋼に入社しますが、電力中央研究所への出向を経て「原子力村」の実情を知り、矛盾を感じて退職後、スウェーデンに留学しました。彼はこの留学を通じて、エネルギー政策の在り方についての思考を深めました。

1990年から約2年間、ルンド大学の環境エネルギーシステム研究所で客員研究員としての経験を積みました。その後、東京大学先端科学技術研究センターの博士課程を修了し、2000年にNPO法人環境エネルギー政策研究所を設立しました。

政治活動とエネルギー政策の推進

飯田は、民主党政権のもとで数々の重要な環境政策の委員を歴任しました。2011年の東日本大震災以降、彼は自然エネルギーの活用を強く提唱し、「戦略的エネルギーシフト」というフレーズでその方策を名付けました。さらに、行政刷新会議の事業仕分け人や、エネルギー関連の各種委員会でも活躍しました。

2012年には大阪市の橋下徹市長から特別顧問に任命され、その後山口県知事選挙に立候補を表明します。無党派層からの支持を得ましたが、自由民主党の候補に敗れました。この選挙後、彼は「みらい山口ネットワーク」という地域政治団体を設立し、政策アドバイザーとして地域住民のための活動を続けました。

再生可能エネルギーの推進

飯田は「コミュニティパワー」を基にした地域経済の活性化に取り組んでいます。彼は、大企業に依存するのではなく、地域住民がエネルギーを所有し地域に還元されるスタイルを提唱しています。全国に及ぶ再生可能エネルギーの普及活動を行い、特に福島や山口県を中心に環境対策を進めています。

2013年には国際シンポジウムを主催し、地域エネルギーの重要性を国際的な視点からも討論しています。さらに「洋上脱原発世界会議」といった世界的なイベントにも参加し、脱原発の重要性を広める活動を行いました。

著書とメディア出演

著書には『北欧のエネルギーデモクラシー』や『原発がなくても電力は足りる!』など、多岐にわたるテーマで書かれており、エネルギー問題における深い見識を示しています。また、テレビ番組や映画にも出演し、広く公衆に対してエネルギー問題についての理解を広めようと努めています。

飯田哲也は今後も日本のエネルギー政策を進化させるために、地域とともに再生可能エネルギーの推進に全力を注いでいくでしょう。

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