飯盛神社 (福岡市)

飯盛神社の概要

飯盛神社は、福岡県福岡市西区大字飯盛の飯盛山に位置する神社です。この神社は、古くからの歴史と文化を今に伝える場所として、地域の人々に大切にされています。飯盛山の豊かな自然に囲まれ、訪れる人々に静寂と安らぎを与えてくれます。

祭神

飯盛神社は、複数の社殿で構成されており、それぞれに異なる神様が祀られています。

本社（下宮社）：
主神：伊弉冉尊（イザナミノミコト）
左神：玉依比売命（タマヨリヒメノミコト）
右神：品陀和気命（ホンダワケノミコト）
東王子社：天照皇大御神（アマテラスオオミカミ）
西王子社：月読尊（ツクヨミノミコト）
中宮社：五十猛命（イタケルノミコト）

由緒

飯盛神社の創建は、天孫降臨の時代にまで遡ると伝えられています。神話によると、天之太玉命（アメノフトタマノミコト）がこの地を定め、伊弉冉尊を祀ったのが始まりとされています。その後、神功皇后（ジングウコウゴウ）が三韓征伐からの帰途に立ち寄り、この地で伊弉冉尊を祀ったと伝えられています。

文徳天皇の時代には、霊夢に基づいて清和天皇が貞観元年（859年）に勅使を派遣し、飯盛山の山頂に上宮、中腹に中宮、そして麓に下宮を建立しました。これにより、飯盛神社は三つの社殿を持つ現在の形になったとされています。

中宮社には、五十猛命が祀られています。五十猛命は、伊奘冉尊の御孫様にあたり、素戔烏尊の御子神です。古来、木種を持って唐国を巡り、様々な場所に種を蒔いたとされ、その後、日本にもたらし、全国に広めたことから、「有功の神」とも呼ばれています。また、大屋比古神とも呼ばれ、武勇に優れた神としても知られています。

祭事

飯盛神社では、年間を通して様々な祭事が執り行われています。

1月1日：新年初詣
1月成人の日：飯盛宮神事元服式
2月3日：節分追儺祭
2月14日：粥占貝嘗祭（福岡県指定無形民俗文化財）
3月1日：粥占粥披稲（飯盛神社作吉凶判断）
3月下旬：春分の節会（小笠原流草鹿式）
4月第4土曜日：春季例大祭（奉祝神楽祭）
4月29日：還暦の祝・鎧着初めの儀
6月30日：中宮社 水無月の大祓式
7月25日：夏越しの獅子回し
7月28日：夏越の虫追祭
9月3日～10日：飯盛神社 風止祭（子供相撲大会・赤ちゃん土俵入り）
10月9日：秋季大祭 流鏑馬式（福岡県指定無形民俗文化財）
10月28日：中宮社 下元の節会大祓式
11月中：飯盛神社 七五三こども祭

これらの祭事の中でも、特に粥占貝嘗祭と流鏑馬式は福岡県の無形民俗文化財に指定されており、多くの人々が訪れます。

特徴

飯盛神社には、他の神社には見られない独特の特徴があります。

灯籠：拝殿前の左右に立つ灯籠は、高さが3メートル以上もあり、その大きさが特徴です。
白赤半々塗鳥居：本殿裏にある鳥居は、左右が白と赤に塗り分けられています。左（西）側が白、右（東）側が赤く塗られており、これもまた珍しい特徴の一つです。

周辺

飯盛山の東側の平野部、高木・吉武地区には、弥生時代の遺跡である「吉武高木遺跡」があります。この遺跡からは、甕棺墓群や倉庫建築の柱跡が発見されており、特に、三種の神器がセットで副葬された最古の墓が発見された場所として知られています。

関連事項

鎧着初：飯盛神社では、子供の成長を祝う鎧着初めの儀が行われています。
ももいろクローバーZとの関わり：2015年には、大宰府政庁跡で開催されたももいろクローバーZのコンサートで、飯盛神社の牛尾宮司の決断により、流鏑馬保存会及び小笠原流による「武射蟇目」が披露されました。
* 妖怪ウォッチ：人気アニメ「妖怪ウォッチ」シリーズに登場する「おおもり神社」は、この飯盛神社がモデルとなっています。

飯盛神社は、その豊かな歴史と文化を通じて、地域の人々に深く愛されている神社です。訪れる人々は、神社の持つ静かで厳かな雰囲気に触れ、心が洗われるような体験をすることでしょう。

もう一度検索