養父駅

養父駅：山陰本線の駅舎を訪ねて

兵庫県養父市堀畑にあるJR西日本山陰本線の養父駅は、その名の通り養父市に位置するものの、同市の代表駅は隣の八鹿駅となっています。特急列車は停車せず、普通列車のみが停車する、ひっそりと佇む駅です。

歴史を刻む駅舎

養父駅の開業は1908年（明治41年）7月1日、和田山駅と八鹿駅間の延伸開業と同時にさかのぼります。当初は客貨両方の取扱いを開始。その後、1912年（明治45年）3月1日には播但線から山陰本線に編入されました。

時代の移り変わりとともに、1970年（昭和45年）12月15日には貨物取扱いを廃止、日中のみ駅員を配置する体制へ。その後、簡易委託駅化を経て、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となりました。

その後も、豊岡鉄道部の発足・廃止に伴う管轄変更や、管理駅の変更などが経年的に繰り返されています。2022年（令和4年）10月1日には組織改正に伴い、近畿統括本部福知山管理部の管轄となりました。このように、養父駅の歴史は、日本の鉄道史と深く関わっていると言えるでしょう。

駅の構造と特徴

養父駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅で、列車交換が可能です。駅舎は線路の東側に位置し、ホームへは跨線橋でアクセスします。駅の前後の線路は両開き分岐（Y字形）となっており、1線スルー配線ではないため、発着番線は方向別に分けられています。このため、通過列車であっても速度を落とす必要があります。

現在、ICOCAなどのICカード乗車券は利用できません。自動券売機も撤去されているため、切符の購入には駅窓口を利用するか、事前に購入する必要があります。かつてはホーム上ののりば番号表記がありませんでしたが、現在は上屋に番号標が掲示されています。

利用状況と周辺環境

2016年（平成28年）度の1日平均乗車人員は76人でした。近年は減少傾向にあります。かつては旧・養父町の代表駅として栄えていましたが、現在では周辺に和田山高田簡易郵便局や森医院などの施設があります。

交通手段としては、全但バスや養父市コミュニティバス「わいわいバス」が利用可能です。八鹿駅や和田山営業所などへのアクセスも確保されています。

まとめ：静かな山陰地方の駅

養父駅は、歴史と静けさを併せ持つ山陰本線の駅です。特急は停車しませんが、地元住民の生活の足として重要な役割を担っています。周辺の自然豊かな風景と合わせて、旅情を感じさせる魅力的な駅と言えるでしょう。訪れる際には、ゆっくりと時間の流れを感じてみてください。 ICOCA非対応や自動券売機がない点など、現代的な利便性とは異なる点も、独特の雰囲気を醸し出しています。 また、駅舎周辺の散策も、この地域の文化に触れる良い機会となるでしょう。

隣の駅

和田山駅
八鹿駅

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