首都高速神奈川3号狩場線

首都高速神奈川3号狩場線とは

首都高速神奈川3号狩場線は、神奈川県横浜市中区の本牧ジャンクション（JCT）から、保土ケ谷区の狩場インターチェンジ（IC）に至る首都高速道路の路線です。

路線概要

路線番号: K3
区間: 本牧JCT - 狩場IC
構成:
本牧JCT - 石川町JCT: 神奈川県道147号高速横浜羽田空港線
石川町JCT - 狩場IC: 横浜市道高速2号線
所在地: 全線が神奈川県横浜市内に位置します。

注意点: 「狩場線」という名称ですが、横浜新道/横浜横須賀道路の狩場ICは利用できません。

歴史

狩場線は、横浜港や横浜市中心部からの交通を円滑にするため、放射状に延びる路線として計画されました。この路線は、以下の地域へのアクセスを向上させる目的がありました。

横浜新道経由で湘南方面
保土ヶ谷バイパス経由で東名高速道路、相模原市、多摩方面
横浜横須賀道路（計画時は南横浜バイパス）経由で三浦半島方面
首都高速横羽線経由で東京方面

1970年（昭和45年）11月2日に都市計画が決定し、1971年（昭和46年）11月8日に工事が開始されました。工事は、丘陵部や中村川沿いの上流側から順次着工されましたが、久良岐橋から亀の橋までの区間は反対運動により長期間着手できませんでした。1978年（昭和53年）に石川町JCTと新山下出入口の間が着工し、1984年（昭和59年）2月2日に横羽線と同時に開通しました。1987年（昭和62年）2月に全面着工に至り、1989年（平成元年）9月27日に新山下出入口から本牧JCT、湾岸線大黒JCTを経て大黒線生麦JCTの間が開通しました。そして、1990年（平成2年）3月20日に狩場JCT - 石川町JCT間が開通し、全線が開通しました。

全線開通に先立ち、同年3月11日には阪東橋出入口と永田出入口の間を一般開放し「ハイウェイ・フェスティバル」が開催され、多くの人々で賑わいました。

構造

狩場線は、平地部と丘陵部に大きく分けられます。

平地部:

中区山下町から南区南太田二丁目にかけての高架構造です。
大部分が中村川上空を通過します。
中村川の川幅は、道路建設時に護岸改修により22mに縮小されました。
騒音対策として、干渉型防音壁や吸音板が採用されています。
石川町JCTから山下町出口側は堀川筋高架橋、花之木出入口側は中村川筋高架橋と呼ばれます。堀川筋高架橋は1983年に土木学会田中賞を受賞しています。

丘陵部:

南太田駅から狩場ICにかけての約3.4kmの区間です。
標高40-60mの丘陵地帯を、切土構造や中小規模の橋梁で構成しています。
切土部には「もたれ擁壁」が採用され、圧迫感を軽減する化粧型枠が使われています。
谷部にはRCアーチ橋が建設され、下部には児童公園が設けられています。
切土を横断する橋は16本あります。
沿道には環境施設帯が設けられています。
橋の一部は広場として開放され、公園と一体的な利用が可能です。
切土上を通る橋にはレリーフ、トンネル上部には鋳鉄製パネルが飾られています。
防音壁は、本線側と道路外側で異なるデザインが採用され、一部に透光板が用いられています。
狩場料金所付近の地下には、過積載車両を退出させるためのUターン路が設けられています。
永田-花之木間上り線付近には、融雪剤貯蔵庫などの管理施設があります。

植栽設計:

丘陵部は4つのゾーンに分けられ、それぞれのゾーンに特徴的な植物が植えられています。

月のゾーン: ヤブツバキ、サザンカ
風のゾーン: キンモクセイ、ジンチョウゲ、ライラック
鳥のゾーン: アオキ、ガマズミ
花のゾーン: サクラ

首都高速ラジオ

2006年（平成18年）に廃止されるまで、狩場料金所 - 永田出入口間で首都高速ラジオが放送されていました。

交通量

道路交通センサスに基づいた24時間交通量データがあります。

※令和2年度に実施予定だった交通量調査は、新型コロナウイルスの影響で延期されました。

ギャラリー

（画像は省略）

脚注

(脚注は省略)

参考文献

首都高速道路公団神奈川建設局『高速神奈川3号狩場線 高速湾岸線 高速神奈川5号大黒線工事誌』1990年9月。

関連項目

首都高速道路
関東地方の道路一覧

外部リンク

首都高ドライバーズサイト
首都高速道路株式会社
首都高速道路株式会社神奈川管理局

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