香西元長

香西元長（こうざい もとなが）

香西元長は、戦国時代の武将であり、細川氏の家臣として知られています。彼は山城国守護代を務め、嵐山城を居城としていました。

生涯

香西氏は元々讃岐国の武士でしたが、元長の父である香西元直の頃には京都に詰めるようになりました。そのため、讃岐の領地は元直の弟が継承しています。

明応6年（1497年）、元長は山城国守護代に任ぜられました。当時の守護は伊勢貞陸でした。

永正元年（1504年）、細川氏の家臣である薬師寺元一が、主君・細川政元を排し、その子・澄元を擁立しようと謀反を起こしました。この際、元長は薬師寺元一の弟・薬師寺長忠と共に、元一の居城である淀古城を攻めています（第一次淀古城の戦い）。

永正3年（1506年）9月7日、元長は細川政元に背き、京都で蜂起しました。幕府は、大和国にいた三好之長を呼び戻し、元長攻めに向かわせました。また、元長の背後には、摂津国守護代・薬師寺長忠もいました。

永正4年（1507年）には、細川政元の丹波国出陣に際して役銭供出を拒否した賀茂社を焼き討ちしています。

細川政元の後継者を巡る争いでは、元長は細川澄之を支持していました。同年6月23日、元長は間諜である竹田孫七を使い、主君である政元を行水中に襲って暗殺しました（永正の錯乱）。

翌24日、澄之・元長らの軍勢は細川澄元邸を攻め、澄元や三好之長らを近江国に追いやりました。しかし、翌25日の合戦で元長の弟である元秋と元能が戦死しています。

同年7月8日、幕府は澄之を細川家の後嗣と定めました。しかし、細川澄元方は態勢を立て直し、もう一人の政元の養子である細川高国も澄元方に加わりました。

同年8月1日、細川高国、政賢、尚春によって京都にある細川澄之邸が攻撃されると、澄之は自害し、元長と薬師寺長忠は討ち死にしました。

政元殺害の理由

細川家の嫡子となった澄元を補佐していた三好之長は、自派の勢力を拡大し、元長の出身地である讃岐にまで政治介入をしていました。また、元長は政元の性格に不安を覚え、自身が補佐していた澄之に家督相続の望みがほとんど無くなったことから、之長の勢力が細川家中で増大した事を憎悪し、澄之を擁立して権力を手に入れるために政元を殺害したとされています。

ただし、信憑性が高いとされる『不問物語』では、元長は療養のために嵯峨におり、事件に関与していなかった（計画者は弟の香西元秋・香西元能であった）とされています。

参考文献

長江正一 『三好長慶』 吉川弘文館〈人物叢書〉、1968年（新装版、1989年4月、ISBN 978-4-642-05154-5）
大阪府史編集専門委員会 編『大阪府史』 第4巻《中世編　Ⅱ》、大阪府、1981年5月30日。
天野忠幸編『戦国武将列伝 7 畿内編【上】』「香西元長」戎光祥出版、2022年。

関連項目

山城国一揆

外部リンク

* 『香西元長』 - コトバンク

もう一度検索