馬込町 (東京府)

馬込町（まごめまち）とは

馬込町は、かつて東京府荏原郡に存在した町です。現在の東京都大田区の北部に位置し、その歴史は明治時代にまで遡ります。

歴史

1889年（明治22年）5月1日、町村制の施行に伴い、馬込村と池上村の一部が合併し、馬込村が発足しました。この時、池上村の残りの部分は池上村に編入されています。

その後、1928年（昭和3年）1月1日には、馬込村が町制を施行し、馬込町となりました。しかし、その歴史は長くは続かず、1932年（昭和7年）10月1日には、荏原郡全域が東京市に編入されたことで、馬込町はその区域が大森区となりました。

さらに、1947年（昭和22年）3月15日には、大森区が蒲田区と合併し、現在の大田区が設置され、馬込町は歴史の中にその名を残すことになりました。

交通

馬込町が存在した当時、鉄道は目黒蒲田電鉄（現在の東急電鉄）大井町線と、池上電気鉄道（現在の東急電鉄池上線）が走っていました。

目黒蒲田電鉄（現:東急電鉄）大井町線
池月駅（いけづきえき）→ 洗足公園駅（せんぞくこうえんえき）（現:北千束駅）
池上電気鉄道（現:東急電鉄池上線）
長原駅（ながはらえき）

現在では、都営地下鉄浅草線の馬込駅や西馬込駅がありますが、これらは馬込町が存在した当時には開業していませんでした。

道路に関しては、現在では第二京浜国道（国道1号）や環七通りが通過していますが、これらの道路も馬込町が存在した当時には開通していませんでした。

産業

馬込町であった当時は、農業が盛んでした。特にキュウリの生産が有名で、明治時代には「馬込半白胡瓜（まごめはんじろきゅうり）」という品種が作られ、地域の特産品として知られていました。このキュウリは、その独特の風味と食感で人気を博しました。

現在の地名

現在、馬込町という地名は存在しませんが、その範囲は、大田区の以下の地域にあたります。

中馬込（なかまごめ）
東馬込（ひがしまごめ）
西馬込（にしまごめ）
南馬込（みなみまごめ）
北馬込（きたまごめ）

これらの地域は、馬込町があった場所の歴史を今に伝えています。

出身・ゆかりのある人物

馬込町には、以下のような人物にゆかりがあります。

上山直武（うえやまなおたけ）：旧姓は島崎。大日本除虫菊株式会社の会長を務めました。

関連項目

東京都の廃止市町村一覧
馬込文士村

馬込町は、その短い歴史の中で、農業を中心とした独自の文化を育んできました。現在では、その面影は薄れていますが、地名や鉄道の駅名、そして「馬込半白胡瓜」などの特産品を通じて、その存在を今に伝えています。また、文士村としても知られ、多くの文化人が集った場所でもあります。

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