馭謨郡

馭謨郡（ごむぐん）

馭謨郡は、かつて鹿児島県（大隅国）に存在した郡です。現在の屋久島町全域にあたる地域を管轄していました。

郡域

1879年（明治12年）に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の屋久島町全域にあたります。

歴史

古代

824年、多禰国が大隅国に編入される際、同時に益救郡が馭謨郡に編入されました。

式内社

『延喜式』神名帳には、郡内の式内社が記録されています。

近世以降の沿革

明治初年時点では、馭謨郡の全域が薩摩鹿児島藩の領地でした。「旧高旧領取調帳」によると、当時の郡域には以下の18の村がありました。

宮之浦村
楠川村
船行村
安房村
麦生村
原村
尾間村
小島村
平内村
湯泊村
中間村
栗生村
永田村
吉田村
一湊村
志戸子村
小瀬田村
口之永良部島村

1879年（明治12年）2月17日、郡区町村編制法の鹿児島県での施行により、行政区画としての馭謨郡が発足しました。この時、「鹿児島郡役所」が鹿児島城下山之口馬場町に設置され、鹿児島郡、谿山郡、熊毛郡とともに馭謨郡を管轄しました。

1885年（明治18年）10月20日、大島郡、熊毛郡、そして川辺郡の一部（上三島、吐噶喇列島）とともに、金久支庁（後の大島支庁）の管轄となりました。同年12月8日には、熊毛郡および川辺十島の一部（上三島）とともに、金久支庁種子島出張所の管轄となりました。

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、以下の2つの村が発足しました。これにより、馭謨郡の全域が現在の屋久島町を構成するようになりました。

上屋久村: 宮之浦村、楠川村、小瀬田村、吉田村、一湊村、志戸子村、永田村、口之永良部島村が合併
下屋久村: 安房村、船行村、麦生村、原村、尾間村、小島村、平内村、湯泊村、中間村、栗生村が合併

「種子島郡役所（後に熊毛郡役所）」が熊毛郡北種子村に設置され、同郡とともに馭謨郡を管轄しました。

1896年（明治29年）4月1日、郡制の施行により、熊毛郡役所の管轄区域をもって、改めて熊毛郡が発足しました。これにより、同日をもって馭謨郡は廃止されました。

変遷表

（表は省略）

脚注

（脚注は省略）

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 46 鹿児島県、角川書店、1983年3月1日。ISBN 404001460X。
原口泉ほか 『鹿児島県の歴史』 山川出版社、1999年、ISBN 978-4634324602

関連項目

* 消滅した郡の一覧

もう一度検索