駒川中野駅

駒川中野駅

大阪府大阪市東住吉区針中野一丁目に位置する駒川中野駅（こまがわなかのえき）は、大阪市高速電気軌道（Osaka Metro）谷町線の駅です。駅番号はT31が割り当てられています。駅の建設中の仮称は「駒川駅」でした。

歴史

駒川中野という駅名は、かつてこの地を通っていた南海平野線の駒川町停留場と中野停留場の中間に駅が設けられたことに由来しています。駅の開業は1980年11月27日で、これは谷町線の天王寺駅から八尾南駅までの区間が延伸された際に同時に誕生しました。

その後の主な動きとしては、2018年4月1日に大阪市交通局が民営化されたことに伴い、当駅の所属事業者および管轄がOsaka Metroへと変更されました。また、駅の利便性向上策として、2019年4月1日には新たにICカード専用の東改札が開設され、それまでの唯一の改札口は西改札として位置づけられました。駅設備の維持・更新も進められており、2020年9月28日から12月7日までの期間にはエスカレーターの更新工事が行われました。駅構内では商業サービスも提供されており、2017年3月28日にはローソン駒川中野駅店が営業を開始しています。

駅構造

駒川中野駅は地下駅ですが、その構造には特徴があります。ホームは地下1階に設けられた島式ホーム1面2線ですが、駅舎や改札口、コンコースといった主要な駅施設は全て地上に位置しています。これは地下鉄駅としては比較的に珍しい形態です。駅全体が緩やかな曲線上に位置しているため、ホーム（幅は約8.4メートル）の両端もカーブしています。

地上にある駅舎は2階建てで、阪神高速道路の高架下に建てられています。特に西改札のすぐ上では、近畿日本鉄道（近鉄）南大阪線の高架線とも交差しています。改札口は西改札と東改札の二箇所が設けられています。西改札には地下1階のホームへ向かうエレベーターと上りエスカレーターが設置されていますが、後から整備された東改札は階段のみの利用となります。

かつて西改札の外には売店がありました。開業当初は大阪市交通局協力会が運営する独立した小型店舗でしたが、後に閉店し、運営を引き継いだファミリーマートが無人型の自動販売機による営業を行いました。2017年には西改札事務室の隣接スペースを利用して有人店舗であるローソンが開店しましたが、こちらも2024年1月22日に閉店しています。なお、当駅は平野駅が管轄しており、平野管区駅に所属しています。

利用状況

駒川中野駅は多くの乗降客があり、特に東住吉区内のOsaka Metro駅の中では最も利用者が多い駅です。2024年11月12日の特定日における乗降人員は17,428人でした（乗車人員8,875人、降車人員8,553人）。この数値はOsaka Metro谷町線の全26駅中15位、他路線との乗り換えがない駅に限ると全15駅中5位に位置します。

駅の利用動向には特徴が見られ、特に八尾南方面行きの列車では、当駅から隣の喜連瓜破駅までの間で降車する乗客が多い傾向にあります。そのため、夕方のラッシュ時にはホーム（地下1階）から地上改札口へ直結する上りエスカレーターに近い2号車や3号車付近の車両が特に混雑しやすい状況が見られます。過去の特定日における詳細な利用状況データも公開されています。

駅周辺とバス路線

駅周辺には、かつて地域住民に親しまれた映画館「タナベキネマ」（旧称：田辺国際映画劇場）がありましたが、同館は2012年3月31日に閉館しています。駅からの最寄りのバス停留所は「駒川」および「地下鉄駒川中野」で、大阪シティバスの3号系統（出戸バスターミナル行き／地下鉄住之江公園行き）が利用できます。なお、当駅から東へ約750メートル離れた場所にいまざとライナーの「中野中学校前」停留所がありますが、駒川中野駅との間で乗り継ぎの便宜は図られておらず、駅での案内も行われていません。

隣の駅

Osaka Metro谷町線における駒川中野駅（駅番号：T31）の隣接駅は以下の通りです。

田辺駅（T30）- 天王寺・大日方面
平野駅（T32）- 八尾南方面

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