駒野城

駒野城について

駒野城（こまのじょう）は、岐阜県海津市の駒野集落の北西に位置した中世の日本の山城です。標高約30mの舟岡山と呼ばれる小丘に本丸を含む郭が存在し、東西南の三方には土塁が築かれ、その姿はかつての防衛の要所としての機能を物語っています。現在、その跡地には海津市立城山小学校が立地しています。

歴史の流れ

駒野城の起源は、正暦年間にまで遡ることができます。その頃、瀬戸道明寺によって初めて城が築かれました。その後、鎌倉時代の文治・建久年間に、守護職であった土岐光衡と光行により南濃の戦略的な要地として再び城が整備され、守将が配置されました。

城はその後、土岐家歴代の家臣によって維持管理されてきましたが、天文11年（1542年）には、斎藤道三の家臣である髙木彦左衞門に攻め落とされ、高木氏が新たに居城を構えることとなったと言われています。一般的には、文明年間に高木貞政が城を築いたと認識されていますが、実際にはその伯父である高木貞成が手掛けたとも言われています。

髙木氏の系譜によれば、2代目の髙木彦左衞門貞久は織田信長に仕官し、次男の貞利に永禄10年（1567年）には駒野城を譲り、今尾城の城主となりました。その後、同11年（1568年）には弟の貞秀に譲渡され、駒野城は貞秀の治める城となりました。天正7年（1579年）になると、貞秀は庭田城へ転居し、弟の貞友に城が引き継がれました。

信長の死後、髙木貞友は徳川家康の家臣として仕え、天正12年（1584年）には小牧・長久手の戦いで羽柴秀吉に攻撃を受けました。この際、髙木彦左衞門は勘解由左衛門を先鋒に守り抜き、城を陥落させられることはありませんでしたが、秀吉による天下が確立されると、髙木一族は美濃の地を去ることとなりました。

また、慶長5年（1600年）には関ヶ原合戦が勃発し、石田三成がこの地域を巡察し、桑名から大垣への防備として塁壁の構築を命じました。関ヶ原合戦時には、松ノ木城の城主である徳永寿昌が池田伊予守秀氏が籠もる駒野城を攻め、8月19日に開城を果たしました。これにより、駒野城は廃城へと至ったのです。

地理とアクセス

駒野城は岐阜県海津市南濃町駒野1317に位置します。訪れる際は、養老鉄道養老線の駒野駅から徒歩で約10分の距離です。沿道には、城の歴史を物語る様々な遺構や、文化財も散見され、歴史愛好家や観光客にとって興味深いスポットとなっています。

参考文献

• - 『日本歴史地名大系』（オンライン版） 小学館
• - 『南濃町の史跡・文化財』 海津市（（旧）南濃町教育委員会）

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