骨咄葉護

骨咄葉護（こちとちようこ、クトゥ・ヤブグ、生年不詳 - 742年）は、東突厥第二可汗国末期の可汗です。阿史那氏を姓としますが、名前は記録されていません。骨咄葉護は、役職名・称号であり、個人名ではありません。

生涯

734年、毘伽可汗（ビルゲ・カガン）が大臣の梅録啜（ブイルク・チュル）によって毒殺されるという事件が発生しました。これを受け、東突厥の国人たちは毘伽可汗の子を後継として擁立し、伊然可汗（イネル・カガン）としました。しかし、7年後の741年、骨咄葉護は伊然可汗を殺害し、その弟である登利可汗を新たな可汗として立てました。しかし、登利可汗もまた、左殺（判闕特勤）によって殺害されるという事態となります。相次ぐ可汗の暗殺劇を受け、骨咄葉護は自ら可汗の位に就きました。

骨咄葉護が可汗となった直後の742年、東突厥国内で大きな勢力を持っていた回紇（ウイグル）、葛邏禄（カルルク）、抜悉蜜（バシュミル）の3部族が一斉に蜂起し、骨咄葉護を攻め滅ぼしました。これにより、抜悉蜜の族長が推戴され、頡跌伊施可汗（イルティリシュ・カガン）として即位しました。この出来事は、東突厥第二可汗国の崩壊の序章となり、ウイグル可汗国の成立へと繋がっていきます。

骨咄葉護の治世は短く、内紛と反乱に明け暮れた時代でした。彼の台頭と没落は、東突厥帝国の衰退を象徴する出来事として、歴史に刻まれています。

参考文献

『新唐書』（列伝第一百四十下 突厥下）
佐口透・山田信夫・護雅夫訳注『騎馬民族誌２正史北狄伝』（1972年、平凡社）

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